授業は集め、捨てる

 情報を集め、そして、捨てる。それが、授業作りです。
 教えたいことがたくさんあっても、授業時間は限られています。集めた情報全てを子どもに伝えようとして、時間切れになり、一番肝心なことを教えられなかった、ということもあります。
 6年の歴史は、特に、何を一番教えたいかを考えておかないと、いつまでたっても現代まで戻ってこれないことになります。
 例えば、大仏づくり。
 深く広くやれば、2時間3時間かかります。
 でも、そこを1時間でやってしまう。
 一番教えたいことに焦点をあて、そこを中心に授業を組み立てるのです。
 先日教えた「鑑真」の授業では、鑑真がどれだけ命がけで来日したのかに焦点を当てようと考えました。
 それには、当時の航海が、今の千倍も困難であったことに気付かせないといけません。
 そこで、現代の旅行時間(飛行機2時間、船27時間)と遣唐使船7日間を比べ、264年間で15回しか渡らなかったところから、航海の危険性に迫っていったのです。

(2007.5.4)