大森修氏の模擬授業が、一番私の心に残っています。
1.題名をよませる。
2.生き物とよんだらダメですか?
3.生き物と生物とは同じですか?
↓ ↓
動物 ぜんぱん じてん
4.範読(テープ)
5.段落番号をかく。
6.題名と筆者名と第1段落をうつしなさい!
7.0点の人がいます!
8.めずらしい生物に線をひく
9.6段落をみんだでよむ
10.生物にせん! おたがいにせんでむすぶ。
11.環境についてかいてあること
12.自然はどういう意味で使われているか 生物と環境
13.先ほど視写したところ これはおかしいというところを書き直しなさい。
(荒)めずらしい自然の宝庫となっている
題名 ガラパゴスの自然
ガラパゴスの生物と環境 ←さいごの段落
14.1999年8月16日の現在、ガラパゴスの自然は、どのようになりつつある と考えられますか?
人間が住むことによって ペットの持ち込み
※タニシのはんしょく→巨大化→なえを食べる
外国から→いらなくなって捨てる
15.アウトラインで!
今日の授業は、~~~~である。
例えば、~~~~である。
また、~~~~である。
このように今日の授業は、~~~~である。
あらためて今日の授業は、~~~~である。
↑
「ガラパゴスの自然と生物」の組み立てと同じ ↑
1つのまとまった文章が書ける!
教材文は「ガラパゴスの自然と生物」という2頁ものの説明文です。
2は、「生物」を「せいぶつ」でなく「いきもの」と読んでいいのか、大森先生が問い返してるところです。「いきもの」なら「生き物」となり、間に「き」が入らないといけません。そのことを子どもに言わせるという指導が、すごいと思いました。こういう指導こそが、子どもの国語力をつけるのだと、思います。
大森先生の範読は、独特だったので、録音してみました。
教材文の中にある難しい単語をゆっくり、さらにくり返して読んだりするのです。例えば、宝庫・発散・諸島など。
6の視写は、最後の伏線になります。7ではさらに「0点は、何かが足りません。何が足りないんですか。」答えは、1段落目の一字あけでした。
ガラパゴスの自然と生物
伊藤秀三
太平洋の東のはしに、赤道をはさんで四十ほどの小さい島々がある。ここはガラパゴス諸島とよばれ、めずらしい生物の宝庫となっている。
8のめずらしい生物とは、「ガラパゴスゾウガメ」「小型のペンギン」「スカレシア(木)」のことです。
全員で読んだ6段落は、この教材文の最後の段落です。
ガラパゴスの諸島は、生物と環境との密接な関係をわたしたちに教えてくれる、貴重な自然の宝庫である。
6段落のまとめを見ると、「生物と環境」と書いてあります。そこで、大森氏は「環境」について書いてあるところに線をひかせたわけです。
13の指示の意図は、この教材文はガラパゴスの生物と環境の二つについて述べているのに、題名や1段落では「生物」のみで「環境」が出てこないためです。
ちなみに、「環境と生物ではいけないんですか?」と、大森氏は問うてます。順序を入れ替えてもいいのかを検討するのも面白いです。
さらに、大森氏は、現在のガラパゴスの自然がどうなってるかまで、考えさせています。
「みなさんは法則化運動に参加されてる先生方ですから、環境問題についての内 部情報があるはずです。」
国語が国語だけで終わらないところに、総合的な学習をにおわせているのかもしれません。
しかし、それでも、国語力を鍛える授業になっているのです。
これは、すごいことですね。
この教材文による授業、ぜひやってみたい。
(1999.8.22)