漢字に興味を持たせる授業

 毎日1本原稿を書けるのも、考現学のおかげです。

《ねらい》 漢字の成り立ちや意味を時たま授業の中で扱います。そのことによって、子どもが興味を持って漢字学習に取り組めるようになります。
《すすめ方 漢字の成り立ちを知的に教える》
 学習参観で、漢字の成り立ちを扱った次のような授業をしました。
「漢字は、たし算できます。」
といって、3つの問題を出しました。
 ① 木+木  ② 木+木+木  ③ 木+兆
 それぞれ、①林 ②森 ③桃 となります。
「桃の右側の兆は、桃をパカッと割った形を表しています。」
 この後、メインの問題を出しました。
 糸+言+糸+木
 どんな漢字ができるか書かせ、板書もさせて、自分の書いた漢字と同じものには挙手させました。
 正解は「欒」です。
「欒という漢字です。これは、むくろじという名の植物のことです。」
「欒・むくろじの実は、ある遊び道具に使われます。何という遊びでしょう。」
 正解は「羽根つき」です。
「なぜ羽根つきに羽根に使われるかというと、むくろじは縁起がいいからです。どんないいことがあるのでしょう。」
 むくろじは「無患子」と書き、子どもが患わ無い、病気にならない、という意味があるのです。むくろじの羽根を使うのは、子どものためなのです。
 この他、むくろじ(欒)の実は、数珠にも使われています。
「欒の字の前に漢字一文字つけると、みんなが知ってる言葉になります。」
 正解は「団欒」です。
「家族みなが健康で、数珠つなぎのように仲良くすることを団欒というのです。」
 家の人が参観される家庭訪問に適した漢字の授業ではないでしょうか。
《成功のポイント 5~10分程度で》
 漢字の成り立ちや意味について扱う授業は、週に1,2回、しかも5~10分程度にします。漢字練習を中心に置きつつ、たまにするからいいのです。
【漢字の授業例】
「集」…木に集まっている動物は、何?
 正解は、鳥。隹(ふるとり)で、尾っぽの短い鳥です。例えば、雀。
《こんな場合は 漢字の成り立ちや意味が分からない時は》
 『下村式 小学漢字学習辞典』(偕成社)や『藤堂方式・小学生の漢字はかせ4・5・6年用』(学燈社)が役立ちます。

(2006.8.2)