他教科で使える漢字の授業

 教員採用試験1次は不合格でした。今年は少し自信があったのでショックです。

《ねらい》 社会や理科で出てくる漢字を字源を元に授業すれば、漢字も好きになり、他教科の学習の理解につながっていきます。
《すすめ方 授業のねらいに沿って、漢字の成り立ちや意味を教える。》
 漢字の成り立ちや意味から、社会や理科の学習へつなげることができます。
【社会歴史編】
「洋服の反対は何ですか。」「和服。」
「洋食の反対は?」「和食。」
 洋服や洋食の「洋」は、西洋=ヨーロッパやアメリカの国々を指しています。
「和というのはどこの国ですか。」「日本。」
「昔の中国は、日本のことを何と呼んでたのかな。社会の本に書いてあるよ。」
 正解は「倭」です。
「倭というのは、いい意味の言葉か悪い意味の言葉か、どちらでしょう?」
 倭には「背が曲がってたけの低い小人」という意味があり、侮蔑の言葉なのです。昔の中国が日本をどう思っていたかが漢字を通して分かるのです。
【理科:灰と炭編】
 石灰水を石炭水と書き間違える子が多くいます。
「灰の中に何という漢字が隠れていますか。」「火。」
「火の左上にある厂は何を表していますか。」
 これは灰をかき寄せる手を表しています。
「石炭の炭にある厂は手ではありません。何でしょう。」
 炭の厂は崖を表しています。山中や崖から掘り出された石炭のことを炭と言っていたのです。
「炭は黒くて、灰は白いですね。石灰水を石炭水と書くと、真っ黒い水になってしまいますよ。」
 漢字の成り立ちや意味を取り上げることで、重要な言葉をエピソード記憶として覚えていくことができるのです。
《成功のポイント 短い時間で取り上げる》
 授業の理解を助けるための漢字指導ですから、短時間に切り上げることが大切です。3~5分ぐらいが目安です。
《こんな場合は ひらがなでしか書かない子には》
 徳川家康や酸素などの漢字をひらがなで書く子がいます。
 漢字で板書されたものは、漢字で書くように指示します。ひらがなで書いてあれば書き直させます。
 テストならば「漢字で正しく書けたら、プラス5点です」というプラス評定をつけるといいです。

(2006.8.9)