(長野)
上高地から中房温泉へ縦走しました
常念岳山頂の祠と方位盤
(2008・8・21〜25)


8月20日夜行バスさわやか信州号で旅立った。
今回は10年ぶりの蝶ヶ岳から常念岳〜大天井岳〜中房温泉へ縦走するプランです。
(10年前の蝶ヶ岳山行はこちら

1日目
早朝、上高地に着くと霧雨だった。
穂高の山はガスで見えないが、梓川の流れはきれいだった。
梓川に沿って歩き、明神を通過し、徳沢で休憩した。

ここから右の蝶ヶ岳・長塀山方面に進むが、登山者のほとんどは左の横尾・槍ヶ岳方面へと行ってしまった。
こちらから登ったのは、私達のほかには、まもなく追い越して行った2人組しか見かけなかった。

樹林帯の急登を霧雨の中を、登り続けること4時間半。
やっと長塀山に着いた時はホッとした。
ここからアップダウンを繰り返してハイマツ帯に出ると、蝶ヶ岳ヒュッテはすぐだった。

ヒュッテは多勢の人で賑わっていた。やっぱり人気の蝶ヶ岳である。
のぼるの今は亡き兄も「蝶はいいよーーー」と言っていたのを思い出す。

上高地の梓川 穂高の山はガスの中 氷壁の宿 徳沢園
瞑想ノ丘で日の出を見る 安曇野は雲海の下

2日目
朝、気温は5℃。
日の出の時をむかえ、ヒュッテの前の瞑想ノ丘に人が集まり出した。
寒いので雨具を防寒着がわりに身につけている人が多い。

東の方向、安曇野は雲海の下だ。
その雲海の端を赤く染めて、陽は昇ってきた。
拍手する人もいて、私は手を合わせて祈った。
振り向くと穂高連峰と槍ヶ岳は凛としてそびえていて、神々しくさえあった。

ヒュッテに戻り、朝食のあと出発。
蝶槍を通っていったん樹林帯へ下って登り返すと、いよいよ常念岳への登りになった。

岩尾根が続いたが、展望がいいのでこの登りは楽しかった。
常念岳(2857m)に着いた。7年前に続き2度目の山頂である。(前回の常念岳山行はこちら
槍ヶ岳はちょうど正面に見える。飽きることのない眺望だった。

そして常念乗越まで下って休まずに先を急ぐ。
横通岳をトラバースしているとニホンザルに出会った。
ピークを通らないので楽な歩きが続いて、思ったより早く大天荘に着くことができた。

前の広場で生ビールで乾杯!
ここは大天井岳の直下で標高も高いので寒くなってきて、おまけにガスが出てきて見通しも悪くなってきた。

夕食後、談話室のテレビで天気予報を見ると明日は雨と言っている。
私達は下るだけなのでいいけど、槍ヶ岳を目指す人が多く、ため息がもれた。
ニュースは北京オリンピックのさなかで、女子ソフトボールの金メダルを伝えていた。
常念岳への登山道から蝶槍を振り返る 樹林帯のむこうに常念岳が見えてきた
常念岳山頂は岩礫の上 常念岳山頂から槍・穂高を一望する
槍ヶ岳の雄姿 すこし雲がかかってきている 大天井岳へと歩く
3日目
朝、やっぱり小雨だった。

雨の中をゆっくり下り始めた。
蛙岩を過ぎたあたりで、前を行く女性5人組が立ち止まり、ライチョウがいると教えてくれた。
5〜6羽のライチョウを見ることができた。
彼女達は槍ヶ岳を諦めて中房温泉へ下っていたのだった。
「雨の下りにご褒美があった」と喜んでいた。

燕山荘では雨宿りできそうな所がなかったので通過し、合戦小屋まで下った。
小屋では名物のスイカを注文。1切800円だった。
食べやすいようにと2つに切ってくれたのでちょうどよかった。

ここからの下りは急だった。
小雨にもかかわらず次々と登ってくる人の列が続いた。
聞くところによると、燕山荘で毎年8月第4土曜日にクラシックコンサートが行われるのだそうだ。
そうだったのか。

昼過ぎには中房温泉に着いた。
ここは秘湯で、庭内に内湯14、露天風呂8ヶ所ものお湯めぐりができる。今回の山旅の一番の楽しみだ。

全部はまわれなかったが、7つのお湯を楽しんで疲れた身体を癒すことができた。

大天井岳と直下に建つ大天荘 合戦小屋名物のスイカ売場
中房温泉登山口にある湯原の湯 秘湯の宿 中房温泉
4日目
朝食のあと、最後に「御座の湯」に入った。
檜の風呂で、どこかひなびた趣のあるお湯だった。

明治の終わりに、日本山岳登山の父といわれるWウェストン夫妻が泊まった家屋の、すぐそばにあった。
この障子の家屋は今は使われていないようで、立入禁止となっていた。

古い昔に思いをはせて、私の一番お気に入りのお湯となった。

9:40の乗合バスで穂高へ出て、そこからバスさわやか信州号で大阪に戻った。

1日目
上高地(6:30)→徳沢(8:40)→長塀山(13:10)→蝶ヶ岳ヒュッテ(14:40)

2日目
蝶ヶ岳ヒュッテ(6:05)→蝶槍(6:50)→(10:30)常念岳(11:00)→常念乗越(12:00)→大天荘(15:30)

3日目
大天荘(6:15)→燕山荘(8:55)→(9:45)合戦小屋(10:15)→中房温泉(12:25)


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