条約改正の努力

「条約改正」のところを6年の社会で授業します。
 一度結んだ条約を改正することは、簡単ではないこと。先進諸国にとって日本という国がとても弱い立場にいたこと。条約改正のために、陸奥宗光はじめ、多くの日本人が努力してきたことを授業の中で伝えていきたいのです。

【陸奥宗光~不平等条約の改正~】
板書:陸奥宗光(1844~1897年)
   1853年(10才)ペリー来航
  ◎1858年(15才)不平等条約(治外法権・関税自主権がない)
   1863年(20才)坂本龍馬と知り合う、海軍操練所に入る。
   1869年(26才)兵庫県知事となる。
   1878年(35才)西南戦争挙兵陰謀で逮捕、禁固5年の刑。
   1884年(41才)欧州へ留学
  ◎1886年(43才)ノルマントン号事件
   1892年(49才)外務大臣 ウェブスター事件・千島艦衝突事件
  ◎1894年(51才)イギリスと治外法権の廃止
  ◎1911年(  )小村寿太郎、関税自主権の回復
              (略歴は、◎のついたものだけ書かせる。)
①資料集巻末の人物事典の「陸奥宗光」のエピソードを読ませる。
②板書で略歴、1884年まで紹介。1886年と板書しノルマントン号事件の絵を配る。
③気がついたこと・分かったこと・思ったこと・調べたことを書かせ、発表。
④ノルマントン号事件の裁判の結果などを詳しく紹介する。
(船長の言い分→日本国民の怒り→裁判、無罪→世論の高まり→裁判、禁固3か月、賠償金なし
 TOSS社会編『戦争の時代』(明治図書2005.12))
⑤ウェブスター事件・千島艦衝突事件を紹介。
⑥一度結んだ条約はなかなか変えられないことを話す。日本の領土も条約で決まっていることを教科書の記述を読ませて確認させる。
⑦「条約改正をするために、日本は何をしてきましたか。」班で調べさせ、発表。
⑧1894年と1911年の条約改正を板書。
⑨教科書の年表を音読、条約改正の道を確認させる。

 ③で板書されたものは、以下の通りです。

・海にはいっているひとがいる(中野)→海水浴してるの?
・日本人が見殺しにされた。(田中)→これは調べたことだね。
・人がたくさんうみの中にいる(中)
・タバコをすってる。(藤本) 
・のんきにたばこをすっている人がいる(三宅)→おぼれている人がいるのに、のんきにしているのがポイントだね。
・うきわを持っている人がいる(荒田)→普通ならどうするの?「うきわを投げて助ける」→だから、見殺しにしてることになるんだね。
・船には男の人しかのってない(阿河)→昔、女性は船に乗れませんでした。
・イギリスのはたがある。(上田)
・指をさしている。(久田)→何を指してるの?「行く方向。」助けようとしてない。
・リーダーみたいな人がいる。(糸井)→何って言うの?「ドレイク船長。」
・和歌山で船がしずんでいる。(石田)
・船の上でいばっている人がいる(早川)→船に乗っている人みんなだね。
・後ろの方に船がある(神谷)→船の名前は?「ノルマントン号」
・はたがふねについている。(小島)
・海におぼれている人がいる(山本)

 ⑥⑦を抜かして⑧を板書してしまったのは、失敗でした。
 ⑧⑥⑨と行き、条約改正のために何をしたかを調べさせる作業を抜かしてしまったのです。
 最近、穴抜きで板書させて、調べさせて書き込ませる方法が、有効だなと思っています。
「1858年(15才)不平等条約(      ・         )」
というように板書し、調べさせ、書き終わってる子を当てて、発表させます。
 ただ板書を写させるだけでなく、調べて簡単に分かることを抜き書きするだけで、授業らしい展開になるようです。
 明日は、日清戦争の授業です。

(2007.10.24)