文明開化は真の文明か

 田中正造を中心に、「政府がめざした産業の発達」について教えます。

①板書:「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」
②上記の言葉をノートに写させる。
③「誰の言葉か予想しましょう。」田中正造が出てきたら、なぜそう思うのかを問い返し、教科書の足尾鉱毒事件を指名し読ませる。
④「明治政府の文明開化は、真の文明だといえるでしょうか。」挙手で問う。

 ①の言葉は、中嶋郁雄『児童生徒に聞かせたい日本の偉人伝3分話』(学陽書房2007.3.15)に載っていました。①の言葉を元に、明治政府の政策が真の文明を作ってきたのかどうかを子ども達に確かめさせていこうと考えたのです。

⑤教科書P.89を連れ読み。
⑥製糸工場で若い女性が長時間労働と低賃金で働かされていたことを工女の一日のグラフや日給などから読み取らせる。
⑦「政府はなぜ製紙工場を作ったのですか。」

 ⑥の女工の大変さは、小和田哲男『日本の歴史がわかる本【幕末・維新~現代】編』(三笠書房1991.7.10)から抜粋して話すつもりです。

 一つは、紡績女工にしても製糸工女にしても、彼女たちが「前借金制度」によって、一種の人身売買のような形で工場に集められていたという事実である。
 工場の募集人が村に入り、義務教育を終わったぐらいの女の子の家に行き、工場への就職を勧誘するわけだが、その場合、たとえば彼女の十年分ぐらいの賃金を「前渡し」という形で親に渡すのである。貧しい農民たちにしてみればそれは大金なので、大よろこびで娘を工場へ送り出すのだが、送り出された娘には地獄でしかなかった。仮に途中でやめたいと思っても、親がお金をうけとってしまっているのでそれもできない。一番悲惨なのは、本人が病気になった場合である。ノルマはあるし、競争でもあるので、よほど重くならない限りは休めない。

 まさに人身売買です。
 ⑦の問いの答えとしては、「生糸を作るため」というのが出るでしょう。「なぜ、生糸を作る必要があったの。」と問い返し、「外国へ輸出するため」と出れば、「なぜ、外国へ輸出しないといけないの。」とさらに問い返していくつもりです。その問い返しの中で、輸入ばかりで輸出がないと、国の経済が落ち込んでいくことに気付かせたい。日本がこの時代に生き残るために、輸出できるものを大量に作ることは必要だったわけです。

⑧板書:田中正造(1841~1913年)
⑨『日本の偉人伝3分話』の「田中正造」のところを読む。
⑩「この後、政府は公害について対策を打つようになったでしょうか。」
⑪板書:1901年 八幡製鉄所(軽工業→重工業へ)

 重工業へシフトすることで、より公害が生まれていったのです。

(2007.11.11)