例 題

基礎的な物理学及び基礎的な化学

   
問題1  物質の状態変化の説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)凝固とは、液体から固体に変わる変化をいう。
(2)融解とは、固体から液体に変わる変化をいう。
(3)昇華とは、固体から液体を経ないで気体に変わる変化をいい、その逆も昇華という。
(4)気化とは、固体から気体に変わる変化をいう。
(5)凝縮とは、気体から液体に変わる変化をいう。

解答1 (4)
解説1 気化とは、液体から気体に変わる変化をいう。

問題2 物質の三態についての記述で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)固体と液体と気体の三つの状態を、物質の三態と呼んでいる。
(2)液体が固体に変わる変化を凝固という。
(3)凝縮又は液化とは、固体が液体に変化することをいう。
(4)昇華とは、ナフタリンが蒸気になるように、固体から気体に直接変化することや、気体から固体に直接変化することをいう。
(5)固体が液体に変わる変化を融解という。

解答2 (3)
解説2 凝縮又は液化とは、気体が液体に変化することをいう。

問題3 「すべての気体は同温同圧のもとでは同体積内に同じ数の分子を含む」という法則があるが、この法則は次のうちどれか。

(1)倍数比例の法則
(2)気体反応の法則
(3)定比例の法則
(4)質量保存の法則(質量不変の法則)
(5)アボガドロの法則

解答3 (5)
解説3 (1)倍数比例の法則
同じ2つの元素が化合して、2種以上の化合物をつくるとき、一方の元素の一定量と化合する他の元素の質量の比は、簡単な整数の比になる。
(2)気体反応の法則
気体同士が反応し、またその生成物が気体であるとき、それらの気体の体積比は同温同圧のもとでは簡単な整数比が成り立つ。
(3)定比例の法則
あるひとつの化合物の中で化合している元素の質量の比は一定である。
(4)質量保存の法則(質量不変の法則)
物質間に化学変化が起こる場合、その化学変化の前後における物質の質量の総和は一定である。
(5)アボガドロの法則
全ての気体は同温同圧のもとでは、同体積内に同じ数の分子を含む。
また、全ての気体1molは標準状態(0℃、1気圧)で約22.4ℓの体積を占め、その中に6.02×10の23乗個(アボガドロ定数という)の気体分子を含む。

問題4 化学用語の説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)酸化とは物質が水素と化合する反応である。
(2)物体は温度が高くなるにつれて、その物体の体積を増すが、この現象を熱膨張という。
(3)還元剤とは、他の物質を還元して自ら酸化される物質をいう。
(4)液体1gが気化する際に、吸収する熱を気化熱という。
(5)中和とは、酸と塩基が反応して塩と水を生ずることをいう。

解答4 (1)
解説4 物質が酸素と化合することを酸化といい、酸化物が酸素を失うことを還元という。

問題5 物理変化と化学変化の現象について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ニクロム線に電気を通すと熱せられて赤くなる。これは物理変化である。
(2)水を電気分解すると水素と酸素に分けられる。これは物理変化である。
(3)木炭が燃えて二酸化炭素を発生する。これは化学変化である。
(4)ドライアイスを空気中に放置すると次第になくなってしまう。これは物理変化である。
(5)鉄板を空気中に放置したら腐食した。これは化学変化である。

解答5 (2)
解説5 水を電気分解すると水素と酸素に分解されるが、これは化学変化である。水の電気分解は下記の化学反応式で表されるが、化合物が2つ以上の成分に分かれることを分解といい、化学変化のひとつである。
2HO → 2H + O
  水     水素   酸素

問題6 次のうち、化学変化に該当するものはいくつあるか。

a.ガソリンを配管で送ったら静電気が発生した。
b.重油が燃焼して黒鉛があがった。
c.水を加熱したら沸騰した。
d.ドライアイスが常温常圧で二酸化炭素となった。
e.鉄を空気中に放置したら腐食した。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

解答6 (2)
解説6 a.ガソリンを配管で送ったら静電気が発生した。・・・物理変化
b.重油が燃焼して黒鉛があがった。・・・化学変化
c.水を加熱したら沸騰した。・・・物理変化
d.ドライアイスが常温常圧で二酸化炭素となった。・・・物理変化
e.鉄を空気中に放置したら腐食した。・・・化学変化

問題7 次の語句の説明で、誤っているものはどれか。

(1)化合:物質が化学変化して、2種類以上の物質に変化すること。
(2)分解:1つの化合物が2種類以上の新しい物質に変化すること。
(3)潮解:固体の物質が空気中の水分を吸収することにより、湿って溶解すること。
(4)風解:結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくことで、自然に結晶水の一部又は全部を失うこと。
(5)昇華:固体が液体の状態を経ないで直接気体になること(またはその逆の変化)。

解答7 (1)
解説7 化合とは、2種類以上の物質が化学変化して1つの物質に変化すること。

問題8 次の語句の説明のうち、誤っているものはどれか。

(1)融解・・・固体が液体に変わる現象
(2)分解・・・混合物が二つ以上の成分に分かれる現象
(3)気化・・・液体が気体に変わる現象
(4)凝縮・・・気体が液体に変わる現象
(5)化合・・・2種類以上の物質が化学変化して、一つの物質に変化する現象

解答8 (2)
解説8 分解とは、化合物を二つ以上の成分に分けることをいう。
(例)水を電気分解すると酸素と水素になる。

問題9 次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)炭素原子の質量を12と定め、これと比較した各原子の質量を質量数という。
(2)分子の中に含まれている元素の原子量の和をその分子の分子量という。
(3)二酸化炭素(CO)は、炭素1原子と酸素2原子からなっている。
(4)水素(H)の分子量は2なので、モル質量は2g/molである。
(5)すべての気体で1グラム分子(1モル)は、0℃、1気圧の標準状態で22.4リットルの体積を占める。

解答9 (1)
解説9 炭素の同位体12Cを質量の基準とし、その値を12とする。自然界に存在する物質中の元素は、複数の同位体が一定の存在比で混ざっているが、相対的な質量と存在比から、その元素を構成する原子の相対質量の平均値を元素の原子量という。

問題10 次のうち、物質の分子量及び蒸気比重の最も大きいものはどれか。

(1)酸素(O
(2)水素(H
(3)二酸化炭素(CO
(4)メタン(CH
(5)メタノール(CHOH)

解答10 (3)
解説10 空気の分子量を29とすると、各物質の蒸気比重は以下のとおりとなる。
(1)酸素(O)  
   16×2=32
   32÷29=1.103
(2)水素(H) 
   1×2=2
   2÷29=0.069
(3)二酸化炭素(CO
   12+16×2=44
   44÷29=1.517
(4)メタン(CH) 
   12+1×4=16
   16÷29=0.552
(5)メタノール
      (CHOH) 
   12+1×3+16+1
    =32
   32÷29=1.103
以上から、分子量が大きいものほど蒸気比重も大きいことがわかる。

問題11 反応熱について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)中和熱とは、酸と塩基が中和し合うときに発生する熱量をいう。
(2)反応熱には、発熱反応と吸熱反応がある。
(3)燃焼熱とは、物質1モルが燃焼するときに発生する熱量をいう。
(4)分解熱とは、化合物1モルが成分元素の単体から生成するときに発生又は吸収する熱量をいう。
(5)溶解熱とは、物質1モルを多量の溶媒中に溶かすときに発生又は吸収する熱量をいう。

解答11 (4)
解説11 分解熱とは、化合物1モルを、その成分元素の単体に分解するときに発生または吸収する熱量のことをいい、化合物1モルが、成分元素の単体から生成されるときに発生又は吸収する熱量は生成熱という。

問題12 炭素が完全燃焼するときの熱化学方程式は次のとおりである。
C + O= CO+94.1kcal(1kcal=4.186kJ)
このとき、発生した熱量が282.3kcalであった場合、炭素は何グラム完全燃焼したことになるか。
炭素の原子量は12とする。

(1) 4グラム
(2) 8グラム
(3)12グラム
(4)36グラム
(5)72グラム

解答12 (4)
解説12 発生した熱量が282.3kcalなので、282.3kcal÷94.1kcal=3となり、3モルの熱量があったことになる。
従って、完全燃焼した炭素の量は12×3=36グラムである。

問題13 有機化合物の特性として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)一般的に空気中で燃焼して二酸化炭素と水蒸気を生じる。
(2)一般的に無機化合物と比較して分子量が大きい。
(3)成分元素の主体は、炭素、酸素、水素であり、一般的に不燃性である。
(4)ほとんどのものが非電解質である。
(5)一般に水には溶けにくいが、アルコール、アセトンなどの有機溶剤には良く溶ける。

解答13 (3)
解説13 成分元素の主体は、炭素、酸素、水素で、一般的に可燃性であり、燃焼すると、ほとんどのものが二酸化炭素と水蒸気になる。

問題14 有機物の説明として、誤っているものはどれか。

(1)一般に無機化合物に比較して分子量が大きい。
(2)一般に融点及び沸点の低いものが多い。
(3)成分元素は、主体が炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)であり、一般に可燃性である。
(4)一般に水に溶けやすい。
(5)多くは非電解物資である。

解答14 (4)
解説14 一般に水に溶けにくく、アルコール、アセトン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒によく溶ける。

問題15 次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)硫黄は単体である。
(2)水は水素と酸素の混合物である。
(3)空気は酸素と窒素の化合物である。
(4)エチルアルコールは、炭化水素の混合物である。
(5)灯油は複数の元素からできている化合物である。

解答15 (1)
解説15 (2)水は水素と酸素の化合物である。
(3)空気は酸素、窒素、アルゴン等の混合物である。
(4)エチルアルコールは、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の化合物である。
(5)灯油は炭化水素の混合物である。

問題16 次の物質の種類に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)水は酸素と水素の混合物である。
(2)エチルアルコールは、炭素、水素、酸素の化合物である。
(3)食塩水は、塩化ナトリウムと水の混合物である。
(4)ガソリンや灯油は混合物である。
(5)酸素は単体である。

解答16 (1)
解説16 水は酸素と水素の化合物である。

問題17 溶液に関する記述について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)水とガソリンは混ざらないで2層に分かれる。
(2)水とジエチルエーテルとは如何なる割合でも混合する。
(3)水とアルコールは如何なる割合でも混合する。
(4)物質が液体と混合して均一になる現象を溶解という。
(5)固体は一般に温度が高くなるにつれて溶解度は大きくなる。

解答17 (2)
解説17 液体に他の物質が溶け、均一な液体になることを溶解といい、できた液体を溶液という。
溶かしている方の液体を溶媒、溶けている方の物質を溶質といい、特に、溶媒が水である溶液を水溶液という。
溶媒100グラム中に溶解している溶質の最大量のグラム数を、その溶質のその温度における溶解度という。
一定の温度において、一定量の溶媒に溶ける溶質の量には一般に限度があり、温度が高くなるほど溶解度は増加する。
ジエチルエーテルは、水にはわずかにしか溶けず、ある一定の温度で溶解する量は限られており、「如何なる割合でも混合する」は誤りである。

問題18 空気中にさらされた固体が空気中の水蒸気を吸収して溶解する現象を何というか。

(1)融解
(2)昇華
(3)分解
(4)風解
(5)潮解

解答18 (5)
解説18 (1)融解:固体が液体に変わることをいう。
(2)昇華:固体から液体の状態を経ないで直接気体となることをいう。また逆に、気体が冷えて直接固体になることも昇華という。
(3)分解:化合物が2つ以上の成分に分かれることをいう。
(4)風解:結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくことで、自然に結晶水の一部又は全部を失う現象をいう。
(5)潮解:固体の物質が空気中の水分を吸収することにより、湿って溶解する現象をいう。

問題19 酸、塩基、塩に関する記述について、誤っているものはどれか。

(1)酸とは、水溶液の中で電離して水素イオンを出すものをいう。
(2)塩基とは、水溶液の中で電離して水酸化物イオンを出すものをいう。
(3)塩とは、酸の陽イオンと塩基の陰イオンとからなる物質のことをいう。
(4)酸は、赤色リトマス紙を青変させる。
(5)酸は、塩基と中和して塩と水をつくる。

解答19 (4)
解説19 酸は、青色リトマス紙を赤変させる。また逆に、塩基は、赤色リトマス紙を青変させる。

《酸と塩基の比較》

酸 :
①酸味があり、酸性反応を示す。(青色リトマス紙を赤変させる。)
②亜鉛、鉄などの金属と反応して水素を発生するものがある。
③水溶液中で水素イオンを出す。
④塩基と中和して塩と水をつくる。

塩基:
①水溶液は不快な味があり、アルカリ性反応を示す。 
(赤色リトマス紙を青変させる。)
②水溶液中で水酸化物イオンを出す。
③酸と中和して塩と水をつくる。

問題20 水素イオン指数について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)中性の水の水素イオン指数は7である。
(2)水素イオン指数はpHという記号で表される。
(3)水素イオン指数が14の水溶液は酸性が最も強い。
(4)酸は水溶液中で水素イオンを出し、塩基は水溶液中で水酸化物イオンを出す。
(5)水素イオン指数が6より小さい水溶液は酸性である。

解答20 (3)
解説20 水素イオン指数が14の水溶液はアルカリ性が最も強い。

問題21 酸化と還元について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)物質が酸素と化合することを酸化という。
(2)酸化と還元は同時に起こる。
(3)酸化物が酸素を失うことを酸化という。
(4)物質が水素と化合することを還元という。
(5)水素化合物が水素を失うことを酸化という。

解答21 (3)
解説21 〇狭い意味の酸化と還元
・物質が酸素と化合することを酸化といい、酸化物が酸素を失うことを還元という。
・酸化と還元とは必ず同時に起こる。A物質がB物質によって酸化されるとき、同時にB物質は必ず還元される。
〇広い意味の酸化と還元
・狭い意味の酸化・還元はもちろん、さらに水素化合物が水素を失うことを酸化といい、物質が水素と化合することを還元という。
・物資が電子を失うことを酸化といい、物質が電子を受け取ることを還元という。

問題22 次の酸化剤と還元剤の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)反応相手の物質を酸化する物を酸化剤という。
(2)反応相手の物質を還元する物を還元剤という。
(3)反応相手の物質に水素を与える性質のあるものを還元剤という。
(4)反応相手の物質から水素を奪う性質のあるものを酸化剤という。
(5)反応相手の物質の酸素を奪う性質のあるものを酸化剤という。

解答22 (5)
解説22 反応相手の物質の酸素を奪う性質のあるものは還元剤という。

問題23 比重に関する説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ガソリンが水に浮くのは、ガソリンの比重が1より小さいからである。
(2)比重が2の場合、同体積の水に比べて2倍の重さであることを表している。
(3)第四類の危険物の蒸気比重は、一般に1より小さい。
(4)水の比重は、4℃のときが最も大きい。
(5)氷の比重は1よりも小さい。

解答23 (3)
解説23 第四類の危険物の蒸気比重は、一般に1よりも大きい。
ガソリン 3~4
灯油   4.5 等

問題24 ガソリンの蒸気比重を3.5とすると、これを正しく説明したものはどれか。

(1)ガソリンは水の3.5倍の重さである。
(2)ガソリンの蒸気は水蒸気の3.5倍の重さである。
(3)ガソリンの蒸気は酸素の3.5倍の重さである。
(4)ガソリンの蒸気は空気の3.5倍の重さである。
(5)ガソリンはその蒸気の3.5倍の重さである。

解答24 (4)
解説24 気体や蒸気の比重を表すには、0℃1気圧における空気の重さを1として、これとの比で表して用いており、これを蒸気比重という。従って、「ガソリンの蒸気は空気の3.5倍の重さである。」が正しい。

蒸気比重=蒸気の重さ/蒸気と同体積の0℃1気圧の空気の重さ

問題25 湿度について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)気温が上昇すると、飽和水蒸気量の値は減少する。
(2)過去の湿度を考慮に入れた湿度を実効湿度といい、火災の発生、延焼の危険は実効湿度に関係する。
(3)空気に最大限含み得る水蒸気のうちの何%を含んでいるかを表すものを相対湿度という。
(4)湿度が高ければ火災発生の危険性は低く、低ければ火災の危険性は高い。
(5)単位体積の空気中の水蒸気の質量を絶対湿度という。

解答25 (1)
解説25 気温が上昇すると、飽和水蒸気量の値は増加する。

問題26 気温20℃の飽和状態で17.3gの水蒸気を含む空気が25℃になったとき、相対温度は何%になるか。
ただし、25℃のときの飽和水蒸気量は23.0gとする。

(1)25%
(2)33%
(3)65%
(4)75%
(5)100%

解答26 (4)
解説26 相対湿度は、現在の空気中に含まれる水蒸気量と、その温度での飽和水蒸気量の百分率(%)で表される。
相対湿度=現在の空気中に含まれる水蒸気量/飽和水蒸気量×100(%)
=17.3/23.0 × 100(%)
=75.2%
=約75%

問題27 熱の移動に関して、次のうち誤っているものはどれか。

(1)太陽によって地上の物質が暖められる現象のことを放射という。
(2)熱が物質中を次々と隣の部分に伝わっていく現象を対流という。
(3)熱が高温の物体から低温の物体へ移動する仕方には、伝導、対流、放射の3つがある。
(4)伝導の度合は物質によって異なるが、この度合を表す数値を熱伝導率という。
(5)熱せられた物体がふく射線を出して他の物体に熱を与えることを放射又はふく射という。

解答27 (2)
解説27 熱が物質中を次々と高温部分から低温部分に伝わっていく現象を伝導という。
なお、対流とは、液体や気体の温度差によって、液体や気体が移動する現象のことをいう。
これは、液体などが加熱されると、その部分が膨張して密度が小さくなるために上昇し、その後に密度が大きく重い低温の液体などが流れ込んでくるためである。

問題28 次の物質のうち、熱伝導率が最も大きいものはどれか。

(1)水
(2)空気
(3)銀
(4)鉄
(5)アルミニウム

解答28 (3)
解説28 固体は一般に液体よりも熱伝導率が大きく、金属は非金属よりも一般に熱伝導率が大きい。
また、気体の熱伝導率は固体、液体と比較し一般に小さい。
0℃での熱伝導率は以下のとおりである。
(1)水(at0℃)・・・・・・・・0.561W/(m・K)
(2)空気(at0℃)・・・・・・・0.0241W/(m・K)
(3)銀(at0℃)・・・・・・・・428W/(m・K)
(4)鉄(at0℃)・・・・・・・・83.5W/(m・K)
(5)アルミニウム(at0℃)・・・236W/(m・K)

問題29 熱に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)比熱の単位はcal/g・Kである。
(2)比熱の単位はJ/g・Kである。
(3)物質1gの温度を1℃だけ上昇させるのに必要となる熱量のことを比熱という。
(4)水1gを温度1℃だけ上昇させるのに必要な熱量を4.2J(1cal)という。
(5)ある物体1gの温度を1℃だけ上昇させるのに必要な熱量をその物体の熱容量という。

解答29 (5)
解説29 ある物体の温度を1℃または1Kだけ高めるのに必要とする熱量をその物体の熱容量という。従って、1gとは限らない。

【熱容量の計算】
物体の質量をm、比熱をcとすると、その物体の熱容量Cは次の式で表すことができる。
熱容量C(J/K)
 =m(g)×c(J/(g・K))

なお、温度の異なる物体同士が接触した際、高温体から低温体へ熱が伝わるが、この伝わる熱のエネルギーを熱量といい、単位はJ(ジュール)である。

【熱量の計算】
物体の質量をm、物体の比熱をcとすると、その物体の温度をt(K)上げるのに必要とする熱量Qは次の式で表すことができる。
熱量Q(J)
 =m(g)×c(J/(g・K))×t(K)

問題30 質量m(g)の物体の比熱がc(J/(g・K))とした場合、熱容量Cを表す式のうち、正しいものはどれか。

(1)C=m/c
(2)C=c/m
(3)C=mc
(4)C=mc
(5)C=mc10

解答30 (3)
解説30 ある物体の温度を1℃だけ上昇させるのに必要な熱量をその物体の熱容量という。
従って、
比熱がcである物質m(グラム)の熱容量Cは、C=mcである。

問題31 ある液体100gの温度を20℃から60℃まで上昇させるのに必要な熱量はいくらか。
但し、この液体の比熱は2J/g・Kとする。

(1) 2,000J
(2) 4,000J
(3) 8,000J
(4)12,000J
(5)16,000J

解答31 (3)
解説31 熱量をQ、質量をm、比熱をc、上昇温度をtとすると、
Q=mctの関係から
Q=100g×2J/g・K×(60-20)K
=8,000J

問題32 液体が気体に変化するときに必要な熱は、次のうちどれか。

(1)生成熱
(2)溶解熱
(3)燃焼熱
(4)中和熱
(5)気化熱

解答32 (5)
解説32 液体が気体に変化することを気化といい、気化するときは熱を吸収する。これを気化熱という。

問題33 0℃の氷10gを10℃の水にする場合に必要とする熱量として、次のうち正しいものはどれか。
但し、氷の融解熱は80cal/g(1cal=4.186J)とする。

(1)  600cal
(2)  700cal
(3)  800cal
(4)  900cal
(5)1,000cal

解答33 (4)
解説33 0℃の氷10gを0℃の水に融解させる時に必要な熱量(潜熱)は、
10g×80cal/g=800cal
0℃の水10gを10℃にする時に必要な熱量は、
10g×1cal/g・K×(10-0)℃=100cal
従って、0℃の氷10gを10℃の水にする場合に必要とする熱量は、
800cal+100cal=900cal

問題34 熱膨張について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)一般に、固体の体膨張率は、線膨張率の約1/3倍である。
(2)一般に、物体は温度が高くなるにつれてその体積を増す。
(3)一般に、気体の体膨張率は液体又は固体の体膨張率に比較してはるかに大きい。
(4)一般に、気体の膨張は、一定圧力のもとでは温度が1℃上昇するごとに、その気体が0℃における体積の約273分の1ずつ膨張する。
(5)一般に、水は4℃で密度が最大になる。

解答34 (1)
解説34 一般に、固体の体膨張率は、線膨張率の約3倍である。

問題35 0℃で1,000リットルのガソリンが20℃になると約何リットルになるか。
但し、体膨張率は0.00135とする。

(1)1,000
(2)1,003
(3)1,027
(4)1,081
(5)1,270

解答35 (3)
解説35 ガソリンの体積Vは下記のとおり算出することができる。
V=V(1+αt)
:1,000リットル(もとの体積)
α  :0.00135(ガソリンの体膨張率)
t :20℃(温度差)
V=1,000×(1+0.00135×20)
=1,027

問題36 次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)沸点とは、蒸気圧が大気圧と等しくなったときの温度である。
(2)水に砂糖を入れると沸点は100℃より高くなる。
(3)液体が沸騰する温度は、外圧によって変わる。
(4)水に食塩を入れると0℃以上で凍る。
(5)大気圧が低くなると、沸点は低くなる。

解答36 (4)
解説36 水に食塩を入れると、0℃よりも低い温度でないと凍らない。
沸点上昇とは、不揮発性の溶質を溶媒に溶解させると蒸気圧降下が起こり、溶液の沸点が上昇する現象である。
凝固点降下とは、不揮発性の溶質を溶媒に溶かすと、溶媒の凝固点が低くなる現象のことである。

問題37 次のうち、燃焼の起こり得る組合せはどれか。

(1)空気・二酸化炭素・窒素
(2)ガソリン・酸素・電気火花
(3)プロパン・空気・ 二酸化炭素
(4)灯油・水素・炭素
(5)軽油・二酸化炭素・ライターの火

解答37 (2)
解説37 燃焼が起こるのに必要な条件は以下の三つであり、これらを燃焼の三要素という。
燃焼にはこれら三つが同時に存在することが必要である。
①可燃性物質(ガソリン)
②酸素供給源(酸素) 
③熱源(点火エネルギー)(電気火花)

問題38 可燃物とその燃焼の仕方との組合せとして、次のうち誤っているものはどれか。

(1)木炭が燃える
    ・・・・・表面燃焼
(2)ガソリンが燃える
    ・・・・・蒸発燃焼
(3)石炭が燃える
    ・・・・・分解燃焼
(4)灯油が燃える
    ・・・・・蒸発燃焼
(5)木材が燃える
    ・・・・・表面燃焼

解答38 (5)
解説38 〇表面燃焼
可燃性固体がその表面で熱分解も起こさず、又、蒸発もしないで高温を保ちながら酸素と反応して燃焼する場合をいう。(木炭・コークスなど)
〇分解燃焼
可燃物が加熱されて分解し、その際発生する可燃性ガスが燃焼する場合をいう。(木材、石炭など)
〇蒸発燃焼
・液体の場合
液面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、点火源により燃焼すること。(ガソリン、灯油)
・固体の場合
固体を熱した場合、熱分解を起こすことなく、蒸発(昇華)してその蒸気が燃焼すること。(硫黄、ナフタリン)

問題39 発火点(着火温度)が200℃であることを示すものは、次のうちどれか。

(1)200℃に加熱すると蒸発する。
(2)200℃に加熱すると点火源がなくても自ら燃焼する。
(3)200℃に加熱すると引火する。
(4)200℃に加熱すると点火源があれば燃焼する。
(5)200℃に加熱すると点火源があれば引火する。

解答39 (2)
解説39 発火点(着火温度)とは、空気中で可燃性物質を加熱した場合、火花などの点火源がなくても、発火し燃焼を開始する最低の温度をいう。

問題40 発火点(着火温度)の説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)可燃物が燃焼しているときの平均温度をいう。
(2)可燃物から可燃性蒸気が発生する最低の温度をいう。
(3)可燃物を引火させるために必要な最低温度をいう。
(4)可燃物から可燃性蒸気を発生させるために必要とする熱源の最低温度をいう。
(5)空気中で可燃性物質を加熱した場合、これに火花などの点火源を近づけなくとも、発火し燃焼を開始する最低温度をいう。

解答40 (5)
解説40 発火点(着火温度)とは、空気中で可燃性物質を加熱した場合、これに火花などの点火源を近づけなくとも、発火し燃焼を開始する最低温度をいう。

問題41 引火点についての説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)可燃性液体の蒸気の発生量が、燃焼範囲の上限値に達したときの温度をいう。
(2)可燃物から可燃性蒸気を発生させるために必要とする熱源の最低温度をいう。
(3)可燃物から蒸気が発生しはじめたときの最低の温度いう。
(4)可燃性液体が空気中で点火したときに燃え出すのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温をいう。
(5)可燃性液体が燃焼しているときの液体の温度をいう。

解答41 (4)
解説41 可燃性液体の燃焼の難易度はその引火点で決められる。
引火点とは、可燃性液体が、空気中で点火したときに燃え出すのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温をいう。

問題42 引火点が10℃であることの説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)可燃性液体の液温が10℃になれば自然発火する。
(2)可燃性液体の液温が10℃以下になれば自然発火する。
(3)可燃性液体の液温が10℃以下であっても、周囲の温度がそれ以上であれば引火する。
(4)可燃性液体が、空気中で点火したときに燃え出すのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生し始めるときの液温が10℃である。
(5)可燃性液体の液温と周囲の温度がともに10℃以上のときだけ引火する。

解答42 (4)
解説42 可燃性液体の燃焼の難易度はその引火点で決められる。
引火点とは、可燃性液体が、空気中で点火したときに燃え出すのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温をいう。

問題43 燃焼範囲(爆発範囲)の説明について、次のうち正しいものはどれか。

(1)燃焼によって発生するガスの濃度範囲のことである。
(2)燃焼範囲とは、燃焼するために必要な可燃物の温度範囲のことである。
(3)燃焼範囲が広いほど危険性は高い。
(4)燃焼範囲が狭いほど危険性は高い。
(5)燃焼するのに必要な酸素濃度の範囲のことである。

解答43 (3)
解説43 可燃性蒸気と空気を混合したものに点火すると、急激な燃焼が起こり、時には爆発することがある。燃焼や爆発が起こるには、その混合割合が一定の濃度範囲にあることが必要である。この範囲を燃焼範囲(爆発範囲)という。
この濃度範囲のうち、低濃度の方を燃焼(爆発)下限界、高濃度の方を燃焼(爆発)上限界といい、この範囲の広いものほど、また、下限界の低いものほど引火の危険性が高くなる。
また、燃焼範囲(爆発範囲)は、一般に空気との混合気体中に占める可燃性蒸気の常温・常圧で測定した容量%(vol%)で表す。

問題44 ガソリンの燃焼範囲(爆発範囲)は1.4~7.6vol%(容量%)であるが、次のうち正しいものはどれか。

(1)ガソリンの蒸気1リットルと空気99リットルの混合気体は、点火源があれば燃焼する。
(2)ガソリンの蒸気5リットルと空気95リットルの混合気体は、点火源があれば燃焼する。
(3)ガソリンの蒸気1.4リットルと空気7.6リットルの混合気体は、点火源があれば燃焼する。
(4)ガソリンの蒸気98リットルと空気2リットルの混合気体は、点火源があれば燃焼する。
(5)ガソリンの蒸気99リットルと空気1リットルの混合気体は、点火源があれば燃焼する。

解答44 (2)
解説44 可燃性蒸気と空気を混合したものに点火すると、急激な燃焼が起こり、時には爆発することがある。燃焼や爆発が起こるには、その混合割合が一定の濃度範囲にあることが必要である。この範囲を燃焼範囲(爆発範囲)という。この濃度範囲のうち、低濃度の方を燃焼(爆発)下限界、高濃度の方を燃焼(爆発)上限界といい、この範囲の広いものほど、また、下限界の低いものほど引火の危険性が高くなる。
また、燃焼範囲(爆発範囲)は、一般に空気との混合気体中に占める可燃性蒸気の常温・常圧で測定した容量%(vol%)で表す。
本問の場合、ガソリンの燃焼範囲(爆発範囲)が1.4~7.6vol%(容量%)であるため、混合気体の体積が100リットルの場合には、ガソリンが1.4~7.6リットルの範囲内であれば濃度が1.4~7.6vol%となり、点火源があれば燃焼または爆発する。

問題45 下記の文中の( )内にあてはまる語句の組合せはどれか。
「動植物油のうち、(A)はヨウ素価が(B)ので、空気中の酸素と反応しやすく、この反応で発生した熱が蓄積すると(C)を起こすことがある。」
    A     B    C
(1)乾性油   高い  自然発火
(2)乾性油   低い  自然発火
(3)半乾性油  高い  自己燃焼
(4)半乾性油  低い  自然発火 
(5)不乾性油  低い  爆発

解答45 (1)
解説45 動植物油類の自然発火は、油類が空気中で酸化され、その酸化熱が蓄積されることで、発火点に達し燃焼し始めることをいい、ヨウ素価が高いほど自然発火がしやすい。

問題46 物質の危険性について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)比熱が大きいものほど危険である。
(2)引火点、発火点の小さいものほど危険である。
(3)熱伝導度が小さいほど危険である。
(4)燃焼範囲の下限値の小さいものほど危険である。
(5)燃焼範囲の大きいものほど危険である。

解答46 (1)
解説46 比熱は小さいものほど危険である。
第四類危険物の危険性は下記のとおりである。
【大きいほど危険】
 燃焼範囲の上限値
 燃焼範囲
 蒸気圧
 燃焼速度
 燃焼熱
 火災の伝播速度 など

【小さいほど危険】
 燃焼範囲の下限値
 引火点
 発火点
 沸点
 比熱
 電気伝導度 など

問題47 金属の特性等について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)熱や電気の良導体である。
(2)展性、延性がある。
(3)常温で固体である。(水銀は例外)
(4)特有の光沢がある。
(5)金属の比重が、通常10以下のものを軽金属という。

解答47 (5)
解説47 金属の比重が、通常4以下のものを軽金属、4よりも大きいものを重金属という。

問題48 静電気に関する記述で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)静電気は一般に電気の不良導体の摩擦等によって発生する。
(2)静電気の蓄積を防止するためには、空気中の湿度を高くする。
(3)静電気が蓄積すると発熱し、自然発火することがある。
(4)静電気が蓄積すると、火花放電を起こすことがある。
(5)一般に液体や粉末を出し入れするときは、静電気が発生しやすい。

解答48 (3)
解説48 静電気が蓄積しても自然発火することはない。

問題49 危険物を取り扱う際、静電気が問題とされる理由として、次のうち正しいものはどれか。

(1)静電気が蓄積すると火花放電を起こすことがある。
(2)静電気が蓄積すると危険物が蒸発しやすくなる。
(3)静電気が蓄積すると引火点が低下する。
(4)静電気が蓄積すると発火点が低下する。
(5)静電気が蓄積すると沸点が低下する。

解答49 (1)
解説49 第四類危険物は電気の不良導体であるため、流動や攪拌などの際に静電気が発生し、蓄積すると火花放電を起こすことがある。

問題50 消火について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)燃焼の一要素である可燃物を取り去って消火することを除去消火という。
(2)一般に、空気中の酸素が15%以下になれば、燃焼は継続しない。
(3)燃焼の一要素である酸素の供給を断って消火することを窒息消火という。
(4)消火する場合には、燃焼の三要素のうち、二要素を除去する必要がある。
(5)燃焼の一要素である熱源から熱を奪い、燃焼物の温度を発火点以下に下げることによって、消火することを冷却消火という。

解答50 (4)
解説50 消火は、以下の「燃焼の三要素」のうち、一要素を取り除くことによって達せられる。
①可燃性物質
②酸素供給源
③熱源
それぞれを除去消火、窒息消火、冷却消火といい、「消火の三要素」という。

また、燃焼の連鎖反応を抑制するため、酸化反応を阻害する物質を加えて、反応を抑制する作用を利用する場合がある。
この燃焼の抑制(負触媒)の効果を加えて、「消火の四要素」という。

問題51 第四類危険物の火災発生時に、一般的に用いられる効果的な消火方法は次のうちどれか。

(1)危険物の液面から発生する蒸気を除去する。
(2)危険物への酸素の供給を遮断する。
(3)危険物から発生する蒸気を抑制する。
(4)危険物を冷却して引火点以下にする。
(5)危険物そのものを除去する。

解答51 (2)
解説51 消火を行うには、燃焼の三要素である①可燃性物資②酸素供給源③熱源のうち1要素を取り除けばよい。
通常、空気中の酸素濃度は約21%であるが、これを約15%以下にすると燃焼は継続しない。
第四類危険物は、一般に空気の供給を遮断する窒息消火の方法がとられている。

問題52 消火剤と消火効果についての記述で誤っているものはどれか。

(1)二酸化炭素による消火は窒息効果によるものである。
(2)泡による消火は窒息効果によるものである。
(3)ハロゲン化物消火剤による消火は抑制効果と窒息効果が大きい。
(4)強化液による消火は冷却効果によるものである。
(5)水による消火は、窒息効果が冷却効果よりも大きい。

解答52 (5)
解説52 水が消火剤として利用されるのは冷却効果が優れているためである。
水が水蒸気に変化すると、約1700倍に膨張するため窒息効果もあるが、冷却効果の方が窒息効果よりも大きな理由としてあげることができる。

問題53 物質の反応速度に関する説明で、次のうち正しいものはどれか。

(1)気体の濃度変化は、反応速度に影響しない。
(2)固体の場合、反応速度は接触面積が大きいほど遅くなる。
(3)触媒を用いても、反応速度は変化しない。
(4)温度を上げると、反応速度は速くなる。
(5)濃度が高いほど、反応速度は遅くなる。

解答53 (4)
解説53 物質の反応速度は、反応に関与する物質の状態や、温度、圧力、濃度、そして触媒の有無などの条件により異なる。
【物質の状態】固体の場合、反応物との接触面積が大きいほど反応速度は速くなる。
【温度】温度が高いほど、粒子の熱運動が活発となり、衝突頻度が高くなるため、反応速度は速くなる。
【圧力】気体の場合、圧力を高くすると、単位体積当たりの粒子数が増えるため、濃度を高くした場合と同様の状態になり、反応速度は速くなる。
【濃度】濃度が高いほど衝突頻度が高くなり、反応速度は速くなる。
【触媒】触媒を用いると、活性化エネルギーがより小さい経路で反応が進むため、反応速度は速くなる。

問題54 正触媒が化学反応に与える作用についての説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)反応の活性化エネルギーを大きくする。
(2)反応速度を速くする。
(3)反応熱は触媒によって変化する。
(4)化学反応の平衡に影響を及ぼす。
(5)触媒は化学反応によって消費される。

解答54 (2)
解説54 <触媒>
触媒は、反応の前後で自らは変化しないが、それが存在することで他の物質の反応速度を著しく変化させる。
なお、反応速度を増加させるものを正触媒、減少させるものを負触媒という。
触媒は、反応物質の活性化エネルギーを低下させ、外部から大きな活性化エネルギーを与えなくても反応を容易に進行させるため、反応速度は速くなる。
反応熱は反応物質と生成物質の生成エネルギーの差で決まるため、触媒を用いても反応熱の値は変化しない。

問題55 有機化合物に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)一般に不燃性であり、空気中で燃焼し難いものが多い。
(2)一般に水に溶けにくく、アルコール、アセトン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
(3)一般に反応速度は遅く、その反応機構は複雑である。
(4)一般に無機化合物と比較して融点、沸点の低いものが多い。
(5)多くのものが非電解質である。

解答55 (1)
解説55 <有機化合物の特性>
①成分元素は、炭素、水素、酸素、窒素が主体である。
ただし、炭素化合物でも、一酸化炭素、二酸化炭素等は無機化合物である。
②一般に可燃性であり、空気中で燃焼して、ほとんどのものが二酸化炭素と水蒸気になる。
③一般に水に溶けにくく、アルコール、アセトン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
④一般に反応速度は遅く、その反応機構は複雑である。
⑤一般に無機化合物と比較して融点、沸点の低いものが多い。
⑥多くのものが非電解質である。
⑦鎖式化合物と環式化合物の二つに大別される。

問題56 有機物の官能基と物質の組合せのうち、誤っているものはどれか。

(1)アルデヒド基・・・アセトアルデヒド
(2)ケトン基・・・アセトン
(3)アミノ基・・・アニリン
(4)ニトロ基・・・ニトロベンゼン
(5)カルボキシ基・・・エタノール

解答56 (5)
解説56 (1)アルデヒド基(-CHO)・・・アセトアルデヒド
(2)ケトン基(R-CO-R´)・・・アセトン
(3)アミノ基(-NH)・・・アニリン
(4)ニトロ基(ーNO)・・・ニトロベンゼン
(5)カルボキシ基(-COOH)・・・酢酸

問題57 有機化合物の燃焼に関する一般的な説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)空気中で燃焼すると、二酸化炭素と水を生じる。
(2)蒸発又は分解して発生するガスが炎を上げて燃えることが多い。
(3)不完全燃焼すると、二酸化炭素が発生する。
(4)空気の量が少ない場合、発生するすすの量が多くなる。
(5)分子中の炭素の量が多いと、発生するすすの量も多くなる。

解答57 (3)
解説57 物質の燃焼には、十分な酸素と一定の温度が必要であるが、これらの条件が満たされず、酸化反応である、いわゆる燃焼が最後まで完結せずに反応途中の中間生成物である一酸化炭素などが発生している状態を不完全燃焼という。

問題58 有機化合物が完全燃焼した際に生成する物質として、次のうち正しいものはどれか。

(1)芳香族化合物
(2)有機過酸化物
(3)一酸化炭素と水
(4)二酸化炭素と水
(5)炭素と水

解答58 (4)
解説58 炭素と水素からなる有機化合物を完全燃焼させると、二酸化炭素と水を生成する。
有機化合物が完全燃焼する際の化学反応式の事例としては、下記のものが挙げられる。
【例】エタンが完全燃焼して二酸化炭素と水を生成する。
2C + 7O → 4CO + 6H

問題59 有機化合物に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)第一級アルコールを酸化すると、アルデヒドになる。
(2)第二級アルコールを酸化すると、ケトンになる。
(3)第三級アルコールは酸化されにくい。
(4)有機化合物を構成する元素は、炭素C、水素H、酸素O、窒素N、硫黄S、リンP、ハロゲンなどである。
(5)有機化合物には一酸化炭素、二酸化炭素も含まれる。

解答59 (5)
解説59 有機化合物とは、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩や金属炭化物などを除いた炭素の化合物のことをいう。

炭酸塩:
炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムなど

金属炭化物:
金属と炭素との化合物であり、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)などである。

問題60 単体、化合物及び混合物について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ダイヤモンドと黒鉛は、どちらも炭素原子からなる単体である。
(2)水のように2種類以上の元素からなる純物質を化合物という。
(3)ガソリンは、複数の炭化水素からなる混合物である。
(4)食塩水は、食塩と水の化合物である。
(5)水素や酸素のように1種類の元素からなる純物質を単体という。

解答60 (4)
解説60 食塩水は、食塩と水の混合物である。

混合物とは、複数の純物質が混ざってできた物質のことである。
【例】空気(N,O,Ar,・・・)、海水(HO,NaCI,MgCI,・・・)、牛乳、ガソリンなど

問題61 同素体の組合せについて、次のうち誤っているものはどれか。

(1)鉄の赤さびと黒さび
(2)ダイヤモンドと黒鉛(グラファイト)
(3)酸素とオゾン
(4)黄リンと赤リン
(5)斜方硫黄と単斜硫黄

解答61 (1)
解説61 鉄の赤さびと黒さびは、鉄が化学変化したものの組合せであり、お互いに同素体ではない。

同素体:同じ原子でできている単体でも、その原子の配列や結合が異なり、性質の異なる物質が2種類以上存在するとき、これらは互いに同素体であるという。

赤さび:鉄、鉄鋼、銅、銅合金でみられるさびである。多くは赤褐色である。
一般的には、水酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、酸化第二鉄といった成分で、鉄等を少しずつ侵食し腐食させ、劣化が進むとボロボロになる。

黒さび:鉄に発生する黒さびは、酸化物の皮膜であり、さびの発生の際、水分が関わらない「乾食」と呼ばれるさびで、高温に加熱することで鉄の表面に生成される。このため、鉄本体への侵食を抑える機能を持っている。成分は主に四酸化三鉄(マグネタイト)となる。

問題62 単体は、次の物質のうちどれか。

(1)二酸化炭素
(2)食塩
(3)硫黄
(4)ガソリン
(5)純水

解答62 (3)
解説62 (1)二酸化炭素:炭素と酸素の化合物である。
(2)食塩:ナトリウムと塩素の化合物である。
(3)硫黄:単体である。
(4)ガソリン:複数の炭化水素からなる混合物である。
(5)純水:水素と酸素の化合物である。

問題63 化合物と混合物について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)メチルアルコールは炭素、水素及び酸素の化合物である。
(2)空気は主に窒素と酸素の化合物である。
(3)食塩はナトリウムと塩素の化合物である。
(4)二酸化炭素は炭素と酸素の化合物である。
(5)軽油は複数の炭化水素の混合物である。

解答63 (2)
解説63 空気は、窒素や酸素などの純物質が、下記の割合で混じり合ったもので混合物である。

・窒素N(約78.1%)
・酸素O(約20.9%)
・アルゴンAr(約0.9%)
・その他、二酸化炭素CO、ネオンNeなど

問題64 水素イオン指数に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)水素イオン指数が大きくなるにしたがって、水酸化物イオン濃度も増加する。
(2)水素イオン指数を表わす記号はpHである。
(3)水酸化ナトリウム水溶液の水素イオン指数は、7より大きい。
(4)水素イオン指数が1に近い水溶液は、塩基性が非常に強い。
(5)中性の水の水素イオン指数は7である。

解答64 (4)
解説64 水素イオン指数が1に近い水溶液は、酸性が非常に強い。
水溶液の酸性、塩基性(アルカリ性)の度合いを表わす際、水素イオン指数を用いる。
記号はpHである。
水素イオン指数pH=log101/[H]=-log10[H]
[H]:水素イオン濃度
[OH]:水酸化物イオン濃度
純水では、水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度は等しく、25℃では、
[H]=[OH]=1.0×10-7mol/L
酸性 :[H]>1.0×10-7mol/L
中性 :[H]=1.0×10-7mol/L=[OH]
塩基性:[H]<1.0×10-7mol/L
水溶液が酸性、中性、アルカリ性のいずれであっても、その水溶液中には必ずHとOHが存在し、その濃度の積は一定である。
[H][OH]=10-14(mol/L)

問題65 酸と塩基に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)酸と塩基から塩と水を生じる反応を中和反応又は中和という。
(2)酸は赤色のリトマス紙を青色に変化させ、塩基は青色のリトマス紙を赤色に変化させる。
(3)塩基とは水酸化物イオンを生ずる物質、又は他の物質から水素イオンを受け取ることができる物質である。
(4)酸とは水素イオンを生ずる物質、又は他の物質に水素イオンを与えることができる物質である。
(5)酸性又は塩基性の強弱は、水素イオン指数pHで表される。

解答65 (2)
解説65 酸は青色のリトマス紙を赤色に変化させ、塩基は赤色のリトマス紙を青色に変化させる。

問題66 化学用語の説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)中和とは、酸と塩基が反応して塩と水を生じることである。
(2)塩の加水分解とは、塩が水に溶け、水の分子と反応して酸性又は塩基性を示す反応である。
(3)酸化とは、物質が酸素を失ったり、水素と化合したり、電子を取り入れたりする反応である。
(4)塩基とは、水に溶けると電離して水酸化物イオンを生じる物質である。
(5)還元剤とは、物質を還元し自らは酸化される物質をいう。

解答66 (3)
解説66 物質が酸素と化合したり、また、水素や電子を失うことを酸化という。

【酸化】
・酸素と化合すること。
・水素を失うこと。
・電子を失うこと。
【還元】
・酸素を失うこと。
・水素と化合すること。
・電子を取り入れること。

問題67 酸化反応について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)銅が加熱されて酸化銅になる。
(2)鉄が空気に触れて錆びる。
(3)水が沸騰して水蒸気になる。
(4)一酸化炭素が酸素と化合して二酸化炭素になる。
(5)炭素と酸素が化合して一酸化炭素になる。

解答67 (3)
解説67 水が沸騰して水蒸気になるのは、物理変化の蒸発である。
液体が気体に変化することを蒸発といい、物質の三態の変化のうちのひとつである。

問題68 酸化剤、還元剤について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)還元剤:他の物質に電子を与える性質をもつ
(2)酸化剤:他の物質から水素を奪う性質をもつ
(3)還元剤:他の物質によって酸化される性質をもつ
(4)酸化剤:他の物質から酸素を奪う性質をもつ
(5)酸化剤:他の物質によって還元される性質をもつ

解答68 (4)
解説68 他の物質から酸素を奪う性質をもつものは還元剤である。
【酸化剤】
他の物質を酸化させる。
・酸素を与える
・水素を奪う
・電子を奪う
相手の物質を酸化させ、同時に自分自身は還元される。
【還元剤】
他の物質を還元させる。
・酸素を奪う。
・水素を与える。
・電子を与える。
相手の物質を還元させ、同時に自分自身は酸化される。

問題69 鉄にとって、最も腐食しにくい環境は次のうちどれか。

(1)温度、湿度の変化が激しい大気中
(2)温度、湿度の高い大気中
(3)二酸化窒素を含んだ大気中
(4)二酸化硫黄を含んだ大気中
(5)0℃以下で湿度の低い大気中

解答69 (5)
解説69 0℃以下で、湿度が低く乾燥した大気中が、鉄にとって最も腐食しにくい環境である。

問題70 鉄の腐食について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)酸性が強くなると、腐食の速度が増大する。
(2)アルカリ性になると、鉄の周囲に被膜を形成して腐食の進行が抑制される。
(3)塩分の付着したものは腐食しやすい。
(4)水素イオン濃度が高い水中ほど、腐食しやすい。
(5)水中で鉄と銅が接触している場合、鉄の腐食は抑制される。

解答70 (5)
解説70 鉄は銅よりもイオン化傾向が大きいため、水中で鉄と銅が接触している場合には、鉄の腐食が促進される。

【イオン化傾向】
金属は電解質の水溶液に溶け出すと陽イオンになるが、金属の種類によって、イオンになりやすさは異なり、これをイオン化傾向という。
そして、金属をイオン化傾向の大きい順に並べたものを、金属のイオン化列という。

【イオン化列】
イオン化傾向 大 Li>K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au イオン化傾向 小

問題71 金属の特性として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)金属光沢がある。
(2)展性、延性がある。
(3)電気の不導体である。
(4)燃焼するものもある。
(5)比重が1よりも小さいものがある。

解答71 (3)
解説71 金属は、電気の導体である。

金属元素が結合する方法を金属結合というが、電気伝導や熱伝導、そして金属が持つ光沢といった特徴は、この金属結合によってもたらされる。

問題72 物理変化及び化学変化に関する説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくと、結晶水の一部又は全部を失う現象を潮解という。
(2)酸素が他の物質と化合することを酸化という。
(3)木炭が燃えて二酸化炭素になる化学変化を化合という。
(4)物質が酸素と化合することを酸化といい、酸素を失うことを還元という。
(5)反応相手の物質を酸化する物を酸化剤という。

解答72 (1)
解説72 結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくと、結晶水の一部又は全部を失う現象を風解という。
なお、潮解とは、固体物質が、空気中の水分を吸収することにより、湿って溶解する現象のことをいう。

問題73 次の現象のうち、物理変化はどれか。

(1)水を電気分解によって水素と酸素とに分ける。
(2)ニクロム線に電気を通じると発熱する。
(3)ガソリンが燃焼して二酸化炭素と水蒸気が発生する。
(4)鉄がさびる。
(5)アルコールが空気中で燃焼する。

解答73 (2)
解説73 物理変化は、化学組成の変化なしに起こる変化のことをいい、物質の状態や形が変わるだけの変化である。
従って、「ニクロム線に電気を通じると発熱する現象」は、物理変化であり、他はすべて化学変化である。

問題74 次の現象のうち、化学変化はどれか。

(1)砂糖を水に溶かして砂糖水をつくる。
(2)ばねが伸びたり縮んだりする。
(3)静電気が発生する。
(4)水素と酸素が結合して水になる。
(5)二酸化炭素が固化してドライアイスになる。

解答74 (4)
解説74 化学変化は、物質を構成する原子結合の組換えを伴う変化のことをいい、2種類以上の物質から、性質の異なる物質になる変化である。
従って、「水素と酸素が結合して水になる現象」は、化学変化であり、他はすべて物理変化である。

問題75 次のA~Eのうち、化学変化によるものはいくつあるか。
A:ばねが伸びる。
B:氷が融けて水になる。
C:ドライアイスが気体に変化する。
D:木炭が燃えて二酸化炭素になる。
E:水が電気分解によって水素と酸素になる。

(1)1つ (2)2つ (3)3つ (4)4つ (5)5つ

解答75 (2)
解説75 変化の種類は下記のとおりであり、化学変化はDとEの2つである。
A:ばねが伸びる場合、形状、状態が変化するだけで、同一の物質のままであるため、物理変化である。
B:氷が融けて水になることを融解といい、物理変化である。
C:ドライアイスが気体に変化することを昇華といい、物理変化である。
D:木炭が燃えて二酸化炭素になる場合の化学反応式は次のとおりであり、2種類以上の物質が化合し、それらとは異なる物資を生じることから、化学変化である。
C + O → CO
E:水が電気分解によって水素と酸素になる場合の化学反応式は次のとおりであり、化合物が2つ以上の成分に分解していることから、化学変化である。
2HO → 2H + O

問題76 水の状態変化に関する説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)氷が水になることを液化といい、熱が吸収される。
(2)氷が水蒸気になることを昇華といい、熱が吸収される。
(3)水が氷になることを凝固といい、熱が吸収される。
(4)水が水蒸気になることを蒸発といい、熱が吸収される。
(5)水蒸気が水になることを凝縮といい、熱が吸収される。

解答76 (4)
解説76 水の状態変化に関する説明としては下記のとおりである。
(1)氷が水になることを融解といい、熱が吸収される。
(2)氷が昇華することはない。
(3)水が氷になることを凝固といい、熱が放出される。
(4)水が水蒸気になることを蒸発といい、熱が吸収される。
(5)水蒸気が水になることを凝縮といい、熱が放出される。

問題77 物質の状態変化に関する説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)気体が液体に変化することを凝縮という。
(2)液体が気体に変化することを蒸発という。
(3)液体が固体に変化することを凝固という。
(4)固体が液体に変化することを融解という。
(5)固体が気体に変化することを気化という。

解答77 (5)
解説77 固体が液体の状態を経ないで直接気体に変化することを昇華という。
また、逆に、気体が冷やされて直接固体になることも昇華という。
なお、昇華熱は下記のとおりとなる。
固体から気体への昇華:融解熱と蒸発熱を加えたものとほぼ同等
気体から固体への昇華:凝縮熱と凝固熱を加えたものとほぼ同等

問題78 沸点と蒸気圧の関係について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)液体の蒸気圧が外圧以上になると沸騰する。
(2)すべての液体は、1気圧のもとで、液温が100℃になると沸騰する。
(3)液温が上昇すると、蒸気圧は高くなる。
(4)液面だけではなく、液体の内部からも気化が激しく起こることを沸騰という。
(5)液体が沸騰するときの温度は、外圧の高低によって変化する。

解答78 (2)
解説78 液体は、それぞれ沸点が異なるため、同じ1気圧のもとであっても、液温が100℃になったからといって沸騰するとは限らない。
液体の1気圧における沸点の事例は下記のとおりである。
水:100℃
エチルアルコール:78℃
灯油:145~270℃
重油:300℃以上

問題79 標準状態(0℃、1気圧)において、44.8Lの二酸化炭素に含まれている分子の数として、次のうち正しいものはどれか。
ただし、アボガドロ数は6.02×1023個とする。

(1) 3.01×1023
(2) 6.02×1023
(3)12.04×1023
(4)18.06×1023
(5)24.08×1023

解答79 (3)
解説79 すべての気体は、同温同圧において同じ体積内に同数の分子を含むという法則を、アボガドロの法則という。
そして、標準状態(0℃、1気圧)における1モルの気体の体積は22.4Lであり、その中に、6.02×1023個(アボガドロ定数という)の気体分子を含んでいる。
従って、下記の数式から(3)が正解である。
44.8/22.4×6.02×1023=12.04×1023

問題80 シャルルの法則に関する文章で、(  )内に当てはまる数値として、次のうち正しいものはどれか。
「圧力が一定のとき、一定質量の気体の体積は、温度が1℃上昇または下降するにしたがって、0℃のときの体積の(  )ずつ膨張または収縮する。」

(1)100分の1
(2)173分の1
(3)273分の1
(4)373分の1
(5)473分の1

解答80 (3)
解説80 シャルルの法則は下記のとおりである。
「圧力が一定のとき、一定質量の気体の体積は、温度が1℃上昇または下降するにしたがって、0℃のときの体積の273分の1ずつ膨張または収縮する。」
また、絶対温度を用いてシャルルの法則を表現すると、
「圧力が一定のとき、一定質量の気体の体積は絶対温度に比例する」
となる。

問題81 空気は、窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素などからなる混合物であるが、この混合物を、窒素80%、酸素20%からなるものと仮定したとき、空気のみかけの分子量(平均分子量)として、次のうち正しいものはどれか。
ただし、原子量はN=14、O=16とする。
(1)14.4
(2)17.6
(3)25.6
(4)28.8
(5)30.0

解答81 (4)
解説81 空気のみかけの分子量は以下の通りとなる。
(窒素(N)の分子量)× 0.8 +( 酸素(O)の分子量)× 0.2
=14×2×0.8+16×2×0.2
=22.4+6.4
=28.8

問題82 100Lの容器に、2kPaの酸素100Lと3kPaの窒素200Lを入れて混合気体とした場合の全圧として、次のうち正しいものはどれか。
なお、一定温度の条件下とし、また酸素と窒素はそれぞれ理想気体とする。

(1)3.5kPa
(2)4.0kPa
(3)5.0kPa
(4)7.0kPa
(5)8.0kPa

解答82 (5)
解説82 混合気体の全圧は、各成分気体の圧力(分圧)の和に等しい。これをドルトンの法則または分圧の法則という。
酸素と窒素のそれぞれの分圧を求め、それらの分圧の和から全圧を求めると以下のとおりとなる。
(酸素の分圧:P  窒素の分圧:P
×100L=2kPa×100L
=2kPa
×100L=3kPa×200L
=6kPa
したがって、全圧=P+P=2kPa+6kPa=8kPa

問題83 熱容量に関する説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)物体の温度を1K上昇させる際に必要とする熱量である。
(2)物資を圧縮した際に発生する熱量である。
(3)容器の比熱のことである。
(4)物質の密度に比熱を乗じたものである。
(5)物体に1Jの熱を加えた際の温度上昇の割合である。

解答83 (1)
解説83 熱容量とは、ある物体の温度を1℃または1Kだけ上昇させる際に必要とする熱量のことをいう。
物体の質量をm、比熱をcとすると、その物体の熱容量Cは以下の式のとおりとなる。

熱容量C(J/K)=m(g)×c(J/(g・K))

【熱量の計算】(参考)
物体の質量をm、物体の比熱をcとすると、その物体の温度をt(K)だけ上昇させる際に必要とする熱量Qは次の式のとおりである。
熱量Q(J)=m(g)×c(J/(g・K))×t(K)

問題84 0℃の銅1000gに19kJの熱量を与えると、この銅は何度になるか。
ただし、銅の比熱は0.38J/(g・K)とする。

(1)30℃
(2)40℃
(3)50℃
(4)60℃
(5)70℃

解答84 (3)
解説84 物体の質量をm、物体の比熱をcとすると、その物体の温度をt(K)だけ上昇させる際に必要とする熱量Qは次の式のとおりである。
熱量Q(J)=m(g)×c(J/(g・K))×t(K)
したがって、問題の数値を代入することで下記のとおりとなる。
19kJ=1000g×0.38(J/(g・K))×t(K)
t=50(K)
よって、50K変化するため、変化温度は50℃である。

問題85 危険物を容器に充てんする場合、容器には空間容積を確保する必要があるが、その理由として、次のうち最も適切なものはどれか。

(1)容器に充てんされている危険物の体膨張による容器の破損を防止するため。
(2)充てんされている危険物の化学反応を防止するため。
(3)充てんされている危険物と容器内の空気とを反応させるため。
(4)容器の体膨張による容器の破損を防止するため。
(5)危険物の温度変化を抑えるため。

解答85 (1)
解説85 容器に空間容積を確保するのは、容器に充てんされている危険物の体膨張による容器の破損を防止するためである。

問題86 熱の移動の仕方には、伝導、対流、放射(ふく射)の3つがあるが、次のうち主として、対流によるものはいくつあるか。

A:太陽で地上の物が温められて温度が上昇する。
B:コップにお湯を入れると、コップが熱くなる。
C:石油ストーブをつけると、床面よりも天井近くの温度が高くなる。
D:金属の手すりにつかまると、手が冷たい。
E:熱が物質中を次々と高温部分から低温部分に伝わっていく。

(1)1つ  (2)2つ  (3)3つ 
(4)4つ  (5)5つ

解答86 (1)
解説86 熱の移動の仕方は、それぞれ以下のとおりである。

A:太陽で地上の物が温められて温度が上昇する。・・・放射(ふく射)
B:コップにお湯を入れると、コップが熱くなる。・・・伝導
C:石油ストーブをつけると、床面よりも天井近くの温度が高くなる。・・・対流
D:金属の手すりにつかまると手が冷たい。・・・伝導
E:熱が物質中を次々と高温部分から低温部分に伝わっていく。・・・伝導

問題87 内容積20Lの容器に満たされている20℃のガソリンの温度を30℃まで上昇させた場合、容器外に流出するガソリンの量として、次のうち正しいものはどれか。
ただし、ガソリンの体膨張率は1.35×10-3K-1とし、容器の膨張及びガソリンの蒸発は無視するものとする。

(1)0L
(2)0.27L
(3)0.54L
(4)0.81L
(5)1.35L

解答87 (2)
解説87 膨張後の体積Vは、次式により求めることができる。
V=V(1+αΔt)
:もとの体積L
α:体膨張率K-1
Δt:温度差K
V=20×{1+1.35×10-3(30-20)}
 =20×(1+0.0135)
 =20.27
20.27-20=0.27

問題88 引火性の液体を取り扱う場合、静電気に起因する火災の防止対策として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)あらかじめアース(接地)しておく。
(2)流入や循環作業後には、静置時間をおく。
(3)ノズルから噴出させる際の流速を遅くする。
(4)人体が帯電しないよう絶縁性の大きい靴を履く。
(5)床面に水をまくなどして、湿度を高める。

解答88 (4)
解説88 導電性の良い靴を使用することで、人体または衣服に帯電した静電気を放電させる。

問題89 静電気の帯電について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)電気の不導体に帯電しやすい。
(2)湿度が低い方が帯電しやすい。
(3)帯電防止策としてアースをとる。
(4)一般に合成繊維製品の方が、綿製品よりも帯電しやすい。
(5)引火性液体に帯電すると電気分解する。

解答89 (5)
解説89 引火性液体に帯電しても、電気分解することはない。

問題90 静電気に関する説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)静電気は人体にも帯電する。
(2)静電気は、導電性が大きいものほど蓄積しやすい。
(3)帯電した物体の電荷が移動しない場合の電気を静電気という。
(4)静電気は、二つ以上の物体が、摩擦、衝突、はく離等の接触分離をすることにより発生する。
(5)静電気の電荷間に働く力はクーロン力である。

解答90 (2)
解説90 静電気は、導電性が大きいものほど蓄積しにくく、電気絶縁性が高いものほど蓄積しやすい。

問題91 静電気について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ガソリンが配管中を流れるとき、流速が大きいほど静電気が発生しやすい。
(2)引火性の液体や乾燥した粉体などを取り扱うときには、静電気が発生することがある。
(3)ある物体に、一旦帯電した静電気は、すべてその物体に蓄積される。
(4)静電気は、その物質の絶縁抵抗が小さいほど帯電しにくい。
(5)床や靴の電気抵抗が大きいと、人体に蓄積する静電気の量は多くなる。

解答91 (3)
解説91 物体に帯電した静電気は、すべてがその物体に蓄積されるわけではない。
これは、静電気が、物体表面の水分を通して漏えいする場合や、空気中の水蒸気を通して放電する場合があるためである。

問題92 静電気について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)配管中を流れる流体に発生する静電気を抑える方法として、配管の径を大きくすることで、流速を小さくする。
(2)静電気は固体だけではなく、気体や液体の場合でも発生する。
(3)静電気の放電火花は可燃性蒸気の点火源になることがある。
(4)接触面積や接触圧は、静電気発生の要因として挙げられる。
(5)帯電した物体の放電エネルギーの大きさと、可燃性ガスの着火の可能性との関連性はない。

解答92 (5)
解説92 帯電した物体の放電エネルギーが、可燃性ガスの着火エネルギーよりも大きい場合に着火する。可燃性ガスの種類により、着火エネルギーは異なるが、このエネルギーの値が小さいほど、小さな放電エネルギーで着火する。

問題93 燃焼について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)燃焼の三要素とは、可燃物、酸素供給源および点火源のことである。
(2)可燃物を粉末にしたものは、空気との接触面積が小さくなり、塊状のものよりも熱が伝導しにくいため、燃焼しにくくなる。
(3)空気中の酸素濃度を高めると、燃焼速度は速くなり、また燃焼温度は高くなる。
(4)石油類は炭化水素の混合物で、酸素の供給が不足すると、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素を発生する。
(5)燃焼とは、可燃性物資が酸素などと反応して、光と熱を発生する現象のことである。

解答93 (2)
解説93 可燃物を粉末にしたものは、表面積が大きくなり、空気との接触面積が大きくなる。また、同時に熱伝導率が小さくなるため、温度が高くなりやすくなり、燃えやすくなる。

問題94 燃焼について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)窒素が酸素と反応して一酸化二窒素(亜酸化窒素)が生成する場合は、燃焼とはいわない。
(2)燃焼に必要な酸素供給源は空気であり、分子中に含まれる酸素では燃焼しない。
(3)炭化水素ガスが完全燃焼すると、二酸化炭素と水が生成する。
(4)有機物の燃焼は、酸素の供給が不足すると、一酸化炭素を発生し、不完全燃焼をする。
(5)燃焼とは、発熱と発光を伴う急激な酸化反応である。

解答94 (2)
解説94 第五類危険物である自己反応性物質のように、物質自身に含まれる酸素が酸素供給源になるものがあるため、燃焼に必要な酸素供給源は空気だけではない。

  以降、随時編集予定