模擬試験問題





乙種第四類危険物取扱者試験
< 模擬試験問題-1 >

◇試験科目
1-危険物に関する法令(15問)
2-基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)
3-危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問) 

◇試験時間(2時間)

  1-危険物に関する法令
問題1 危険物の類ごとの性質として、次のうち正しいものはどれか。

(1)第一類の危険物は、酸化性液体の性質を有する。
(2)第二類の危険物は、可燃性液体の性質を有する。
(3)第三類の危険物は、酸化性液体の性質を有する。
(4)第四類の危険物は、引火性液体の性質を有する。
(5)第五類の危険物は、自然発火性物質及び禁水性物質の性質を有する。

問題2 次に掲げる危険物を貯蔵する場合、これらの危険物の総量は、指定数量の何倍であるか。
A:アセトアルデヒド
1,000リットル
B:ガソリン
2,000リットル
C:エチルアルコ-ル
4,000リットル
D:灯油
5,000リットル

(1)30倍
(2)45倍
(3)24倍
(4)26倍
(5)39倍

問題3 指定可燃物についての記述として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)指定可燃物とは、危政令別表第4の品名欄に掲げる物品をいう。
(2)指定可燃物には、綿花類、木毛及びかんなくず、わら類などがある。
(3)指定可燃物とは、わら類等、火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるものをいう。
(4)指定可燃物とは、危政令別表第4の品名欄に掲げる物品で、同表の数量欄に定める数量以上のものをいう。
(5)指定可燃物を取り扱う場合、危険物取扱者のような特別な資格は必要ない。

問題4 指定数量以上の危険物を仮に貯蔵し、又は取り扱うことができる場合として、次のうち正しいものはどれか。

(1)都道府県知事の承認を受けて10日以内の期間、貯蔵所以外の場所で貯蔵できる。
(2)所轄消防長又は消防署長の承認を受けて10日以内の期間、貯蔵所以外の場所で貯蔵できる。
(3)市町村長等の承認を受けて10日以内の期間、貯蔵所以外の場所で貯蔵できる。
(4)市町村長等に届け出ることにより20日以内の期間、貯蔵所以外の場所で貯蔵できる。
(5)所轄消防長又は消防署長に届け出ることにより30日以内の期間、貯蔵所以外の場所で貯蔵できる。

問題5 取扱所の区分についての記述として、次のうち正しいものはどれか。

(1)給油取扱所とは、給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するため危険物を取り扱う取扱所をいう。
(2)第1種販売取扱所とは、店舗において容器入りのままで販売するため、指定数量の倍数が15を超え40以下の危険物を取り扱う取扱所である。
(3)第2種販売取扱所とは、店舗において容器入りのままで販売するため、指定数量の倍数が15以下の危険物を取り扱う取扱所である。
(4)一般取扱所とは、危険物を製造又は販売する目的で危険物を取り扱う取扱所をいう。
(5)移送取扱所とは、車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所のことをいう。

問題6 危険物の分類について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ジエチルエーテルは特殊引火物に該当する。
(2)ガソリンは第一石油類に該当する。
(3)灯油は第二石油類に該当する。
(4)軽油は重油と同様に第三石油類に該当する。
(5)ギヤー油はタ-ビン油と同様に第四石油類に該当する。

問題7 貯蔵所の区分の説明として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)移動タンク貯蔵所とは、車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所をいう。
(2)屋内貯蔵所とは、屋内の場所において危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所のことをいう。
(3)屋外貯蔵所とは、屋外の場所において危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所のことをいい、第四類危険物は全て貯蔵可能である。
(4)屋外タンク貯蔵所とは、屋外にあるタンク〈地下貯蔵タンク、簡易貯蔵タンク及び移動貯蔵タンクを除く)において、危険物を貯蔵し又は取り扱う施設のことをいう。
(5)地下タンク貯蔵所とは、地盤面下に埋没されているタンク(簡易貯蔵タンクを除く)において、危険物を貯蔵し又は取り扱う施設のことをいう。

問題8 給油取扱所の基準として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)給油取扱所に設ける廃油タンクの容量は、20,000リットル以下であること。
(2)保安距離及び保有空地に関する規制はない。
(3)固定給油設備に危険物を注入するための配管は、固定給油設備に接続する専用タンクからの配管のみとすること。
(4)懸垂式以外の給油ホ-スの全長は、5m以下であること。
(5)給油取扱所に設ける専用タンクには容量の制限はない。

問題9 免状の書換又は再交付について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)免状を亡失したので、再交付の申請をした。
(2)免状を汚損したので、再交付の申請をした。
(3)結婚して姓が変わったので、書換の申請をした。
(4)本籍を他の都道府県に移したので、書換の申請をした。
(5)現住所が変わったので、書換の申請をした。

問題10 屋内貯蔵タンクの位置、構造及び設備の技術上の基準について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)屋内貯蔵タンクの容量は、指定数量の20倍(第四石油類及び動植物油類以外の第四類の危険物にあっては、当該数量が2万リットルを超えるときは、2万リットル)以下であること。
(2)危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋内貯蔵タンクは、平家建の建築物に設けられたタンク専用室に設置すること。
(3)タンク専用室の窓又は出入口にガラスを用いる場合は網入りガラスとすること。
(4)タンク専用室は、屋根を不燃材料で造り、かつ、天井を設けないこと。
(5)タンク専用室の窓及び出入口には、防水設備を設けるとともに、延焼のおそれのある外壁に設ける出入口には、随時開けることができる自動閉鎖の特定防火設備を設けること。

問題11 移動タンク貯蔵所についての記述として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)移動貯蔵タンクの容量は、30,000リットル以下とし、2,000リットル以下ごとに完全な間仕切を設けなければならない。
(2)間仕切により仕切られた部分には、それぞれマンホール及び安全装置を設けること。
(3)ガソリン等静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物の移動貯蔵タンクには、接地導線(ア-ス)を設けること。
(4)移動貯蔵タンクの間仕切は、厚さ3.2ミリメートル以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で設けること。
(5)移動貯蔵タンクの外面には、錆止めのための塗装をすること。

問題12 製造所、貯蔵所又は取扱所で、定期点検が義務づけられていないものは、次のうちどれか。

(1)指定数量の倍数が10である製造所
(2)指定数量の倍数が150である屋内貯蔵所
(3)指定数量の倍数が10である一般取扱所
(4)指定数量の倍数が200である屋外タンク貯蔵所
(5)指定数量の倍数が200である屋内タンク貯蔵所

問題13 消火設備について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)電気設備に対する消火設備は、電気設備のある場所の面積100平方メートルごとに1個以上設けるものとする。
(2)地下タンク貯蔵所にあっては、第5種の消火設備を2個以上設けること。
(3)移動タンク貯蔵所にあっては、自動車用消火器のうち指定されたものを4個以上設けること。
(4)アルキルアルミニウム等を貯蔵し、又は取り扱う移動タンク貯蔵所にあっては、自動車用消火器のうち指定されたものを2個以上設けるほか、150リットル以上の乾燥砂及び640リットル以上の膨張ひる石又は膨張真珠岩を設けること。
(5)棒状の水を放射する消火器は、第四類危険物の火災には適応しない消火設備である。

問題14 危険物取扱者の保安講習の受講義務がある者は、次のうちどれか。

(1)危険物施設保安員
(2)甲種及び乙種危険物取扱免状の保有者
(3)危険物保安統括管理者
(4)危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者
(5)危険物取扱者免状の保有者

問題15 製造所等に掲げる標識及び掲示板についての説明で、次のうち誤っているものはどれか。

(1)引火点が21℃未満の危険物を貯蔵し又は取り扱う屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所及び地下タンク貯蔵所のタンクの注入口及びタンクのポンプ設備には、「注入口」又は「ポンプ設備」である旨及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。
(2)給油取扱所では、第四類危険物を取り扱うため、「火気厳禁」の掲示板を設けること。
(3)移動タンク貯蔵所には、地色を黄赤色、文字を黒色とした「給油中エンジン停止」と表示した掲示板を設けること。
(4)移動タンク貯蔵所に設ける標識は、大きさが0.3m平方以上0.4m平方以下で、黒色の板に黄色の反射塗料その他反射性を有する材料で「危」と表示すること。
(5)製造所等には、見やすい箇所に「危険物の製造所、貯蔵所又は取扱所である旨」を示す標識及び「防火に関し必要な事項」を掲示した掲示板を設けること。


2-基礎的な物理学及び基礎的な化学
問題16 水に関する記述として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)気化熱の大きいことが、消火に使われる理由の1つである。
(2)凝固して氷になると、体積が増加して密度は小さくなる。
(3)水の比重は1である。
(4)水を電気分解すると、酸素と水素が発生する。
(5)水は、気圧に関係なく100℃で沸騰する。

問題17 物質の状態変化と熱の出入について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)固体が液体に変化することを融解といい、熱が吸収される。
(2)液体が固体に変化することを凝固といい、熱が放出される。
(3)液体が気体に変化することを蒸発(気化)といい、熱が吸収される。
(4)気体が液体に変化することを凝縮(液化)といい、熱が放出される。
(5)固体が気体に変化することを蒸発(気化)といい、熱が放出される。

問題18 反応熱の記述として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)化学変化には、熱の発生又は吸収を伴うのが一般的で、化学反応に伴って、1モルの反応物質が発生又は吸収する熱量を反応熱という。
(2)生成熱とは、酸と塩基が中和するときに発生する熱量をいう。
(3)溶解熱とは、1モルの物質を溶媒に溶かすときに発生又は吸収する熱量をいう。
(4)燃焼熱とは、1モルの物質が完全に燃焼するときの反応熱をいう。
(5)分解熱とは、化合物が成分単体に分解するときに発生又は吸収する反応熱をいう。

問題19 燃焼についての記述として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)定常燃焼とは、都市ガスやプロパンガスの燃焼など、日常的に利用している燃焼のことで、制御可能な燃焼をいう。
(2)非定常燃焼とは、密閉容器中などで点火され、燃焼速度の急激な増加等から爆発を伴うなど、制御不可能な燃焼をいう。
(3)蒸発燃焼とは、可燃性液体特有の燃焼形態であり、固体ではそのような燃焼は起こらない。
(4)表面燃焼とは、可燃性固体がその表面で熱分解を起こさず、又、蒸発もしないで高温を保ちながら酸素と反応して燃焼する場合をいう。(木炭・コークスなど)
(5)分解燃焼とは、可燃性の固体が加熱されて分解し、その際に発生する可燃性ガスが燃焼する場合をいう。(木材、石炭、プラスチックなど)

問題20 用語の説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)灯油は単体である。
(2)ダイヤモンドは化合物である。
(3)砂糖水は化合物である。
(4)アルコールは混合物である。
(5)食塩は化合物である。

問題21 燃焼範囲の説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)燃焼範囲とは、可燃物が燃焼する際の燃焼温度の範囲のことをいう。
(2)燃焼範囲とは、燃焼によって被害が生じた範囲のことをいう。
(3)燃焼範囲とは、可燃性の蒸気が空気と混合して燃焼が可能となる濃度範囲のことをいう。
(4)燃焼範囲とは、燃焼可能な酸素の濃度範囲のことをいう。
(5)燃焼範囲とは、燃焼可能な混合気体の可燃性ガスの濃度範囲のことをいう。

問題22 引火点と発火点の説明のうち、次のうち正しいものはどれか。

(1)引火点と発火点は、気体特有の物理的性質を表すものである。
(2)ジエチルエーテルの引火点は160℃であり、発火点は-45℃である。
(3)引火点と発火点が共に低いものほど危険性が高い。
(4)発火点が、引火点よりも低い危険物がある。
(5)発火点とは、火炎あるいは火花等を近づけたときに着火するときの温度である。

問題23 燃焼の難易に直接関係のないものは次のうちどれか。

(1)熱伝導率
(2)含水量
(3)発熱量
(4)引火点
(5)熱膨張

問題24 下記はある法則について説明した文章であるが、次のうちどれであるか。
「同温、同圧、同体積の気体中には、同じ数の分子が含まれている。また、すべての気体1モル(mol)は、標準状態(0℃、1気圧)において、約22.4リットルの体積があり、その中に6.02×1023個の気体分子を含む。」

(1)シャルルの法則
(2)気体反応の法則
(3)定比例の法則
(4)アボガドロの法則
(5)倍数比例の法則

問題25 次のA~Eの変化で、物理変化だけの組合せは次のうちどれか。

A ガソリンが燃えて二酸化炭素と水蒸気が発生する。 
B ドライアイスを水の中に入れると、二酸化炭素が発生する。
C 一酸化炭素が燃えて、二酸化炭素が発生した。
D 鉄の釘が錆びてボロボロになった。
E 氷が解けて水になり、さらに水蒸気になった。

(1)AB (2)BD
(3)CD (4)BE
(5)AC

  3-危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
問題26 第四類危険物の取扱上の一般的な注意事項として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)みだりに蒸気を発生させないこと。
(2)蒸気が外部に漏れると危険であるため、室内の換気は行わないこと。
(3)可燃性蒸気は低所に滞留するおそれがあることから、低所の蒸気を屋外の高所に排出すること。
(4)液温が上がると、引火点が比較的高いものでも引火の危険性が生ずる。
(5)貯蔵場所では、火花を発生する機械器具などを使用しないこと。

問題27 ジエチルエ-テルについての記述として、次のうち正しいものはどれか。

(1)揮発性はなく、無臭である。
(2)蒸気比重は、空気よりも軽い。
(3)比重は1以上で、水に良く溶ける。
(4)直射日光にさらしたり、空気と長く接触すると過酸化物を生じ、加熱、衝撃などにより爆発の危険がある。
(5)引火点はガソリンより低く、燃焼範囲はガソリンより狭い。

問題28 第四類の危険物に共通する特性の説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)固体であり、禁水性を有する。
(2)固体であり、酸化性が強い。
(3)固体であり、自然発火性を有する。
(4)液体であり、引火性を有する。
(5)液体であり、自己反応性を有する。

問題29 第四類危険物に共通する性質として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)一般に静電気が発生し、蓄積しやすい。
(2)引火点の低いものは、引火しにくい。
(3)一般に蒸気比重は、1より大きい。
(4)発火点の低いものは、発火しやすい。
(5)一般に電気の不良導体である。

問題30 ガソリンの引火点として、次のうち正しいものはどれか。

(1)-45℃ 
(2)-40℃以下
(3)-21℃
(4)0℃ ~ -40℃
(5)21℃以上

問題31 次の品名は何れも第四類危険物に該当するが、特殊引火物に属するものはどれか。

(1)ガソリン 
(2)エチルメチルケトン 
(3)エチレングリコ-ル
(4)軽油
(5)ジエチルエ-テル

問題32 第四石油類について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ギヤ-油、シリンダ-油は、1気圧において温度20℃で液状である。
(2)一旦火災になった場合は、重油同様液温が非常に高くなり、消火が困難となる。
(3)常温(20℃)で貯蔵している場合は、引火の危険性は低い。
(4)引火点は、70℃以上200℃未満のものが多い。
(5)一般には水に溶けず、粘り気が大きい。

問題33 灯油の火災予防の方法として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)静電気の蓄積を防ぐこと。
(2)川や下水溝などへの流出及び投棄をさけること。
(3)直射日光をさけ、冷所に貯蔵すること。
(4)室内で取り扱う場合、蒸気の拡散防止のため通風及び換気をさけること。
(5)火花を発する機械器具などを使用しないこと。

問題34 エチルアルコ-ルとメチルアルコ-ルに共通する性質として、次のうち誤っているものはどれか。

(1)沸点は水より低い。
(2)引火点は、20℃よりも低い。
(3)燃焼しても炎の色が淡いため、認識しづらい。
(4)水、ジエチルエーテル、その他多くの有機溶剤とよく混合する。
(5)毒性がある。

問題35 静電気が蓄積されにくい危険物は、次のうちどれか。

(1)ベンゼン
(2)ガソリン  
(3)キシレン
(4)メチルアルコ-ル 
(5)軽油

  1-危険物に関する法令
解答
問題1 (4)
問題2 (2)
問題3 (1)
問題4 (2)
問題5 (1)
問題6 (4)
問題7 (3)
問題8 (1)
問題9 (5)
問題10 (1)
問題11 (1)
問題12 (5)
問題13 (3)
問題14 (4)
問題15 (3)
  2-基礎的な物理学及び基礎的な化学
解答
問題16 (5)
問題17 (5)
問題18 (2)
問題19 (3)
問題20 (5)
問題21 (3)
問題22 (3)
問題23 (5)
問題24 (4)
問題25 (4)
  3-危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
解答
問題26 (2)
問題27 (4)
問題28 (4)
問題29 (2)
問題30 (2)
問題31 (5)
問題32 (4)
問題33 (4)
問題34 (5)
問題35 (4)
  (注)下記の【解説】で法令を引用している部分がありますが、要点のみを記載していますので、条文そのものとは記述が異なっている場合があります。
  1-危険物に関する法令
解説1 (1)第一類の危険物:酸化性固体
物質そのものは不燃性の固体であるが、他の物質を強く酸化させる性質を有し、可燃物と混合したとき、熱、衝撃、摩擦を加えると分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。
(2)第二類の危険物:可燃性固体
火災によって着火しやすい固体又は比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体であり、かつ、燃焼が速く、消火することが困難である。
(3)第三類の危険物:自然発火性物質及び禁水性物質
空気にさらされることにより自然発火する危険性を有し、又は水と接触して自然発火し、若しくは可燃性ガスを発生する。
(4)第四類の危険物:引火性液体
液体であって引火性を有し、蒸気を発生させ引火や爆発のおそれがある。
(5)第五類の危険物:自己反応性物質
液体又は固体であって、比較的低温で加熱分解などにより、多量の熱を発生し、又は爆発的に反応が進行する。
(6)第六類の危険物:酸化性液体
物質そのものは不燃性の液体であるが、混在する他の可燃物の燃焼を促進する性質を有する。

解説2 危険物の指定数量は次のとおりである。
A:アセトアルデヒド
特殊引火物 50リットル
B:ガソリン 
第一石油類 非水溶性液体 200リットル
C:エチルアルコ-ル
アルコール類 400リットル
D:灯油 
第二石油類 非水溶性液体 1,000リットル
計算式は以下のとおりである。
総量の指定数量の倍数は 
Aの貯蔵量/Aの指定数量 + Bの貯蔵量/Bの指定数量 + Cの貯蔵量/Cの指定数量 + Dの貯蔵量/Dの指定数量
であるため
1,000/50+2,000/200+4,000/400+5,000/1,000
=20+10+10+5
=45

解説3 指定可燃物とは、危政令別表第4の品名欄に掲げる物品であり、かつ、同表の数量欄に定める数量以上のものをいう。
危政令第1条の12

解説4 指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱ってはならない。
ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。
法第10条第1項

解説5 (1)給油取扱所とは、給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するため危険物を取り扱う取扱所をいう。
危政令第3条第1号
(2)第1種販売取扱所とは、店舗において容器入りのままで販売するため、指定数量の倍数が15以下の危険物を取り扱う取扱所である。
危政令第3条第2号イ
(3)第2種販売取扱所とは、店舗において容器入りのままで販売するため、指定数量の倍数が15を超え40以下の危険物を取り扱う取扱所である。
危政令第3条第2号ロ
(4)指定数量以上の危険物を取り扱う施設で、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所に分類されない取扱所はすべて一般取扱所に該当する。
危政令第3条第4号
(5)移送取扱所とは、配管及びポンプ並びにこれらに附随する設備によって危険物の移送の取扱いを行う取扱所をいう。
危政令第3条第3号

解説6 軽油は第二石油類である。

解説7 屋外貯蔵所とは、屋外の場所において第二類の危険物のうち硫黄、硫黄のみを含有するもの若しくは引火性固体(引火点が零度以上のものに限る。)又は第四類の危険物のうち第一石油類(引火点が零度以上のものに限る。)、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類若しくは動植物油類を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所のことをいう。
危政令第2条第7号

解説8 給油取扱所に設ける廃油タンクの容量は、10,000リットル以下であること。
危政令第17条第1項第7号

解説9 〇免状の交付を受けている者は、免状を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損した場合は、当該免除の交付又は書換えをした都道府県知事にその再交付を申請することができる。
危政令第35条第1項
従って、(1)(2)は正しい。
〇免状には、次に掲げる事項を記載するものとする。
危政令第33条
①免状の交付年月日及び交付番号
②氏名及び生年月日
③本籍地の属する都道府県
④免状の種類並びに取り扱うことができる危険物及び甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者がその取扱作業に関して立ち会うことができる危険物の種類
⑤その他総務省令で定める事項
免状の交付を受けている者は、免状の記載事項に変更を生じたときは、遅滞なく、当該免状に総務省令で定める書類を添えて、当該免状を交付した都道府県知事又は居住地若しくは勤務地を管轄する都道府県知事にその書換えを申請しなければならない。
危政令第34条
従って、(3)(4)は正しい。
現住所の変更は、記載事項の変更には該当しないため、(5)は誤りである。

解説10 屋内貯蔵タンクの容量は、指定数量の40倍(第四石油類及び動植物油類以外の第四類の危険物にあっては、当該数量が2万リットルを超えるときは、2万リットル)以下であること。
危政令第12条第1項第4号

解説11 移動貯蔵タンクの容量は、30,000リットル以下とし、4,000リットル以下ごとに完全な間仕切を設けなければならない。
危政令第15条第1項第3号

解説12 屋内タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、販売取扱所は対象外である。
政令第8条の5規則第9条の2

解説13 移動タンク貯蔵所にあっては、自動車用消火器のうち、霧状の強化液を放射するもので充てん量が8リットル以上のものなど、指定されたものを2個以上設けること。
危規則第35条第2号

解説14 製造所、貯蔵所又は取扱所において危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事が行なう危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。
法第13条の23

解説15 地色を黄赤色、文字を黒色とした「給油中エンジン停止」と表示した掲示板を設けなければならないのは、移動タンク貯蔵所ではなく、給油取扱所である。
危規則第18条第1項6号

  2-基礎的な物理学及び基礎的な化学
解説16 水は1気圧のもとで0℃で凍り、100℃で沸騰するが、気圧が上がると沸点も上がり、気圧が下がると沸点も下がる。

解説17 固体が液体の状態を経ないで、直接気体に変化することを昇華といい、熱が吸収される。
また、気体が固体に変化する場合も昇華というが、この場合には、熱が放出される。

解説18 生成熱とは、化合物1モルがその成分の元素の単体から生成するときの反応熱をいう。
酸と塩基の中和で1モルの水が生成するときの反応熱は中和熱という。

解説19 蒸発燃焼は、液体、固体共通の燃焼形態である。
液体の場合、液面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、点火源により燃焼する場合をいう。(ガソリン、灯油、アルコールなど)
固体の場合、加熱すると熱分解を起こさず、そのまま蒸発(昇華)してその蒸気が点火源により燃焼する場合をいう。(ナフタリン、硫黄など)

解説20 (1)灯油は混合物である。
(2)ダイヤモンドは単体である。
(3)砂糖水は混合物である。
(4)アルコールは化合物である。
(5)食塩は化合物である。

解説21 燃焼範囲とは、可燃性の蒸気が空気と混合して燃焼が可能となる濃度範囲のことをいい、空気との混合気体中に占める可燃性蒸気の常温、常圧で測定した容量パーセント(vol%)で表わす。

解説22 引火点とは、可燃性物質(主に液体)が空気中で点火したとき、燃え出すのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温である。
発火点とは、空気中で可燃性物質を加熱した場合、火花など点火源を近づけなくとも発火し燃焼を開始する最低の温度を発火点という。
従って、引火点、発火点共に低いものほど危険性が高い。

解説23 熱膨張とは、物体の温度が高くなるにつれてその体積が増える現象であり、燃焼の難易には直接関係はない。

火災の危険性が高くなる条件は下記のとおりである。
①熱伝導率が小さいもの(保温効果が高く、熱が蓄積されやすい)
②含水量が少ないもの
③発熱量(燃焼熱)が大きいもの
④引火点が低いもの
(選択肢に関連するもののみ記載)

解説24 アボガドロの法則は下記のとおりである。
「同温、同圧、同体積の気体中には、同じ数の分子が含まれている。
また、すべての気体1モル(mol)は、標準状態(0℃、1気圧)において、約22.4リットルの体積があり、その中に6.02×1023個の気体分子を含む。」

ここで、1モルとは、質量数12の炭素原子12gに含まれている原子の数(6.02×1023個)を基準とし、これと同数の粒子(原子・分子)の集まりのことをいう。

解説25 物理変化とは、温度や圧力などの条件を変えたとき、ある物質が別の物資に変化するのではなく、単に状態や形状が変化することをいう。(化学組成の変化はない)

化学変化とは、ある物質が性質の異なる別の物質に変化することをいう。(物質を構成する原子の結合の組換えを伴う)

A:化学変化
B:物理変化
C:化学変化
D:化学変化
E:物理変化

  3-危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
解説26 蒸気が発生するような取扱いをする場合には、可燃性蒸気の滞留を防ぐため、危険物を取扱う室内の換気を十分に行う必要がある。
そして、常に燃焼範囲の下限値(下限界)よりも低く保たなければならない。

解説27 ジエチルエ-テルの性質、危険性等については下記のとおりである。
(1)揮発しやすく、刺激臭がある。
(2)蒸気比重は、2.6で空気よりも重い。
(3)比重は0.7で、水にはわずかに溶け、アルコールには良く溶ける。
(4)直射日光にさらしたり、空気と長く接触すると過酸化物を生じ、加熱、衝撃などにより爆発の危険がある。
(5)引火点は-45℃とガソリンの-40℃以下より低く、燃焼範囲は1.9~36vol%とガソリンの1.4~7.6vol%より広い。

解説28 危険物の類ごとの性状(状態)と性質については下記のとおりである。

(1)固体(又は液体)で禁水性を有するものは、第三類危険物である。
(2)固体で酸化性が強いものは、第一類危険物である。
(3)固体(又は液体)で自然発火性を有するものは、第三類危険物である。
(4)液体で引火性を有するものは、第四類危険物である。
(5)液体(又は固体)で自己反応性を有するものは、第五類危険物である。

解説29 第四類危険物に共通する性質は下記のとおりである。

①一般に静電気が発生し、蓄積しやすい。
②引火点の低いものは、引火しやすい。
③一般に蒸気比重は、1より大きい。
④発火点の低いものは、発火しやすい。
⑤一般に電気の不良導体である。

解説30 ガソリンの引火点は-40℃以下である。

解説31 (1)ガソリン
:第一石油類(非水溶性)
(2)エチルメチルケトン
:第一石油類(非水溶性)
(3)エチレングリコ-ル
:第三石油類(水溶性)
(4)軽油
:第二石油類(非水溶性)
(5)ジエチルエ-テル
:特殊引火物 ※
※:政令別表第三では、非水溶性と水溶性とで指定数量が異なる場合があるため、非水溶性・水溶性の区別をしている。しかし、特殊引火物については、これらの区別を問わず、全て指定数量は50リットルであるため、非水溶性・水溶性の区別はしていない。
本解説では、政令別表第三に倣って、非水溶性・水溶性の区別は記載していない。

解説32 第四石油類は、1気圧において温度20℃で液状であり、かつ、引火点が200℃以上で250℃未満のものをいう。

解説33 灯油の蒸気比重は4.5と、空気よりも重たく低所に滞留しやすいため、室内で取り扱う場合、蒸気の滞留防止を目的として、通風及び換気を図ること。

解説34 エチルアルコ-ルには、麻酔性はあるが毒性はない。

解説35 (4)のみ水溶性で、その他は全て非水溶性である。
引火性の液体であっても、水溶性の場合は、静電気は蓄積されにくい。

(1)ベンゼン
:第一石油類(非水溶性)
(2)ガソリン
:第一石油類(非水溶性)
(3)キシレン
:第二石油類(非水溶性)
(4)メチルアルコ-ル
:アルコール類 ← 水溶性液体
(5)軽油
:第二石油類(非水溶性)